...悲しい声を絞(しぼ)って人を呼びながら引き上げたありさま...
伊藤左千夫 「奈々子」
...しかしぼくはその現場を見たわけじゃない...
梅崎春生 「凡人凡語」
...しゃがれ声をふりしぼるからくり師の歌がカンテラのすすとともに乱れ合っていたころの話である...
寺田寅彦 「青衣童女像」
...それを一匹ずつ手掴みにして、腹をしぼり、放出する白い精液を、赤い卵のはいってる鉢に注ぎかける...
豊島与志雄 「山上湖」
...皮膚はそのままで中の肉だけしぼみ落ちたかのように...
豊島与志雄 「春」
...子房未虎嘯(子房(しぼう)未(いま)だ虎嘯(こしよう)せざりしとき)破産不為家(産を破り家を為(をさ)めず)滄海得壮士(滄海(そうかい)に壮士を得(え))椎秦博浪沙(秦(しん)を椎(つい)す博浪沙(ばくろうしや))これは有名な詩であるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...なけなしの知恵をしぼった...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...鳴海絞(なるみしぼり)の兵児帯(へこおび)を締めて芋粥(いもがい)に寒さを凌(しの)いだ時代と...
夏目漱石 「虞美人草」
...鹿(か)の子(こ)絞(しぼり)の帯も...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――旦那がどうかなすつたやうだ」幸七が聲を絞(しぼ)りましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...赤いのや、濃い紫や、浅黄のが取りだされて八釜(やかま)しぼりとか、麻の葉とか、つのしぼりとか、赤の黄上げのだとか、種々な鹿(か)の子(こ)絞りにも名のあるのをあたしは知った...
長谷川時雨 「大丸呉服店」
...私は馬上からアメリカ・インヂアンのアツシユの弓を満月と振りしぼつて...
牧野信一 「酒盗人」
...但この栄はずっとしぼんで素質の小さい栄ですが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...麦からしぼった汁だぞ...
三好十郎 「胎内」
...少し力を絞(しぼ)ったものでしょう...
吉川英治 「江戸三国志」
...ひいては名和家も今は萎(しぼ)みを呈していた...
吉川英治 「私本太平記」
...体は贅肉(ぜいにく)と脂肪(しぼう)に富み...
吉川英治 「新書太閤記」
...とにかくすぐ食べられる物を算段するため少年の頭脳でありッたけの智恵をしぼったつもりだった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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