...そのイの一番に大切な信心の木履の音もしない享楽の街の東雲(しののめ)...
安西冬衛 「大阪の朝」
...東雲(しののめ)の光が白々と宿つて居た...
石川啄木 「葬列」
...東雲(しののめ)のあけて行(ゆ)く...
泉鏡花 「悪獣篇」
...東雲(しののめ)の頃の極寒に...
泉鏡花 「薄紅梅」
...しののめ時のあるかなきかの薄明(うすあかり)の動きをも暗黙の間に伝へ...
薄田泣菫 「独楽園」
...十宇津木兵馬は万字楼の東雲(しののめ)の部屋に...
中里介山 「大菩薩峠」
...東雲(しののめ)が病気で親許(おやもと)へ戻っているというのは嘘だ...
中里介山 「大菩薩峠」
...『聖(ママ)しののめ』に泣いたのです...
中原中也 「宮沢賢治の詩」
...近頃手に入れた「東雲(しののめ)」という名馬...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...朝のつめたい臥床(ふしど)の中で私のたましひは羽ばたきをするこの雨戸の隙間からみればよもの景色はあかるくかがやいてゐるやうですされどもしののめきたるまへ私の臥床にしのびこむひとつの憂愁けぶれる木木の梢をこえ遠い田舍の自然からよびあげる鷄(とり)のこゑですとをてくう...
萩原朔太郎 「青猫」
...まだ山科(やましな)は過ぎずや空氣まくらの口金(くちがね)をゆるめてそつと息をぬいてみる女ごころふと二人かなしさに身をすりよせしののめちかき汽車の窓より外(そと)をながむればところもしらぬ山里にさも白く咲きてゐたるをだまきの花...
萩原朔太郎 「純情小曲集」
...ほととぎす東雲時(しののめどき)の乱声(らんじやう)に湖水は白き波立つらしもこれも赤城山頂の大沼などを想像しての作であらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...つらかろう――」「あれは東雲(しののめ)さんの座敷だろう...
広津柳浪 「今戸心中」
...後で遊びに行きますから」「東雲(しののめ)さんの吉(きッ)さんは今日も流連(なが)すんだッてね」と...
広津柳浪 「今戸心中」
...この答案としての自分の行く手に薄白い東雲(しののめ)の空のいろを感じた...
正岡容 「小説 圓朝」
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三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...黎明(しののめ)の窓の明りと...
森鴎外 「護持院原の敵討」
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若山牧水 「樹木とその葉」
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