...博士をしのぐものがあった...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...当分しのぐ丈けのものはあった...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...今晩夜伽をするのに空腹をしのぐために菜飯を焚(た)こうとするのでありますが...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...ほとんど諸侯をしのぐ実力を持っていたし...
太宰治 「庭」
...日ごとにつのる夜寒(よさむ)をしのぐことができなかった...
田山花袋 「田舎教師」
...食物から寒さをしのぐ用意まで...
中里介山 「大菩薩峠」
...せめて雨露(あめつゆ)をしのぐところはないかと探してみると...
久生十蘭 「藤九郎の島」
...まあ麻酔剤でも注射して一時をしのぐだけですよ...
北條民雄 「いのちの初夜」
...二人がほんの雨露をしのぐに足るだけの三畳のバラック...
細井和喜蔵 「女給」
...壮者をしのぐ概(おもむき)がある...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...わたしのぐるりを取(と)り巻(ま)いているものは...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...「凱旋門」に描かれているあからさまな破壊とそれをしのぐ人間精神にひかれたのではなかったろうか...
宮本百合子 「偽りのない文化を」
...厳冬深夜の寒さをしのぐことも出来...
武者金吉 「地震なまず」
...「ケルスス(アウグストゥス時代の名医)をしのぐ者」という意味である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ここを占領してこよいの大雪をしのぐに如(し)かず...
吉川英治 「三国志」
...時にとって炎暑(えんしょ)をしのぐ一樹(じゅ)の蔭(かげ)ともありがたく思いながら...
吉川英治 「神州天馬侠」
...その時々の胃をしのぐ一握りの黍(きび)も犬の肉すらもありつくのに困難だった...
吉川英治 「人間山水図巻」
...壮(わか)い者(もの)をしのぐばかり頑健なのだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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