...齢(とし)の若さ、姿のしなやかさ、境遇のゆたかさ、才能のはなやかさというようなものをたよりにする男たちの蠱惑(こわく)の力は、事務長の前では吹けば飛ぶ塵(ちり)のごとく対照された...
有島武郎 「或る女」
...指から肩に至るしなやかさが眼についた...
有島武郎 「クララの出家」
...やや痩せぎすのしなやかさは十六七の娘という方が適当かもしれないが...
有島武郎 「星座」
...其(そ)のしなやかさと...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...動作の敏捷(びんしょう)なしなやかさを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...肌(はだ)のしなやかさは少しも処女と異なるところがなく...
中島敦 「悟浄出世」
...妙に肉感的なしなやかさがあって何がなし...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...脚のももの近くで手にした柳の枝のしなやかさをためしてみた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...それがためにしなやかさを欠くようなことはなかった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...そして白つつじをかざした手のあのしなやかさ!呉羽之介は...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...肉体のしなやかさにくらべて...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...云うまでもなくシリンクスの肌のしなやかさをしとうてじゃ...
宮本百合子 「葦笛(一幕)」
...弱さ、しなやかさ、それは或魅力かもしれないけれども、十分足りているみのつまった、力のこもった美とは云えない...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...みんなあいつのしなやかさか棲んでゐる...
室生犀星 「末野女」
...もはや自分のうちにはない肉体のしなやかさと美しさとを他人の中に楽しむように...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...雨を含んだ孟宗竹のしなやかさ...
横光利一 「夜の靴」
...その柔らかさ、しなやかさ...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...またその弾性のこだわりのないしなやかさの内にあります...
和辻哲郎 「すべての芽を培え」
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