...乾大根の尻尾みたいにしなびた顔を...
伊藤永之介 「押しかけ女房」
...かの女の拵らへるしなびた茄子の鴫燒きや...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...しなびた両手をあげた...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...しなびたようなじいさんだ...
江戸川乱歩 「影男」
...少し歩いてからしなびた紅(べに)の花殻(はながら)をやはり二三本藁包(わらづと)にしたのを買った...
寺田寅彦 「試験管」
...しなびた皮膚が粉のように一めんに剥(は)げ始めてきた...
徳永直 「冬枯れ」
...この緑素の少いしなびた植木がいけない...
豊島与志雄 「南さんの恋人」
...小柄でしなびた老媼の方は...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...しなびた青春なんてきらひだわ‥‥」「しなびた青春か‥‥さうかなア...
林芙美子 「就職」
...その跡には雌の蟋蟀がしなびたようになって這っていた...
林芙美子 「泣虫小僧」
...赤ん坊は乳もろくすつぽ飲めず乾枯びた大根のやうにしなびたが...
北條民雄 「白痴」
...ボタン穴にしなびた茎が刺さっている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...水っぽくしなびた婆さんみたいな鼻のある顔で目の前の槭樹(ヤーセン)の梢を眺めている...
「赤い貨車」
...あんなしなびた様な花さえ賞めて居るお君が...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...よごれしなびた片手...
三好十郎 「胎内」
...しなびたような弥市が...
山本周五郎 「似而非物語」
...その小さなしなびた男に引いてゆかれることになつても...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...決然としてその小さなしなびた顔を霜の中に突込み...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
便利!手書き漢字入力検索