...跛足(びつこ)でしなびた小さい哲も...
有島武郎 「お末の死」
...しなびた老人等が...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...時しも、鬱金(うこん)木綿が薄よごれて、しなびた包、おちへ来て一霜(ひとしも)くらった、大角豆(ささげ)のようなのを嬉しそうに開けて、一粒々々、根附だ、玉だ、緒〆(おじめ)だと、むかしから伝われば、道楽でためた秘蔵の小まものを並べて楽しむ処へ――それ、しも手から、しゃっぽで、袴(はかま)で、代書代言伊作氏が縁台の端へ顕(あら)われるのを見ると、そりゃ、そりゃ矢藤さんがおいでになったと、慌(あわただ)しく鬱金木綿を臍(へそ)でかくす……他なし、書画骨董の大方を、野分のごとく、この長男に吹さらわれて、わずかに痩莢(やせざや)の豆ばかりここに残った所以(ゆえん)である...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...乾大根の尻尾みたいにしなびた顔を...
伊藤永之介 「押しかけ女房」
...しなびた顔にじっと見入っていた――...
海野十三 「地獄の使者」
...女は細いしなびた手をのばして...
高見順 「いやな感じ」
...しなびたやうですね...
太宰治 「お伽草紙」
...二人とも死人のしなびた体の真中から突き出しているらしい異様な物に目をみはつていた……それはだんだん見ているうちに十七世紀の剣のかなりさびた鉄の柄だということがわかつてきた……その剣が体を完全に突きとおしているのであつた...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「とけない問題」
...爺さんのしなびた顔に散りかかっている...
中村地平 「南方郵信」
...このしなびた頬が涙のあとをつけたまま...
久生十蘭 「魔都」
...しなびた胡瓜(きゅうり)のごとなって...
火野葦平 「花と龍」
...『ロンドン カラカラ しなびたスポンジ 絶対的水不足! ロンドン 病原菌汚染 地下管から水源からドバーッ!』こんな踊る見出しがチェイス記者の短髪頭の中でくるくる回っていた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...芽生えて来るであろう作物のしなびた葉に驚いた彼らは...
本庄陸男 「石狩川」
......
正岡子規 「古池の句の弁」
...よごれしなびた片手...
三好十郎 「胎内」
...しなびたような弥市が...
山本周五郎 「似而非物語」
...それは小さなしなびたような男で...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...その小さなしなびた男に引いてゆかれることになつても...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
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