...鉾先(ほこさき)がしどろになって...
芥川龍之介 「偸盗」
...今夜は思うさま泣かしてください」しどろもどろにおとよは声を呑(の)むのである...
伊藤左千夫 「春の潮」
...しどろの足を摸(ま)ねされて...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...しどろもどろにならないではいられなかった...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...ことばもしどろもどろです...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...そのしどろもどろは僕の特質だ...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...しどろもどろで甘ったるく...
太宰治 「ろまん燈籠」
...決してそんな意味ではない……お前……」と私はしどろもどろであった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...しどろもどろに乱れてくるのを...
外村繁 「夢幻泡影」
...しどろに亂れかゝる柳の枝が長い手で時々抱かうとして居る...
長塚節 「菜の花」
...――」内儀は唯しどろもどろに續けます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...娘はあれにやられたに違いありません」言うこともしどろもどろで...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...しどろもどろになった...
久生十蘭 「蝶の絵」
...しどろもどろのていだった...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...こつちまでひどくしどろもどろにさせずには措かないやうな...
堀辰雄 「手紙」
...しどろもどろな思ひで...
牧野信一 「熱い砂の上」
...闇はしどろな気配だけだった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...どこか、再会の場所を約しているのであろう」静は、余りに責められるので、幾分、しどろになって、「いえいえ、一度は私も、お別れするに耐(た)えかねて、峰(みね)の一の鳥居あたりまで、お後を慕(した)って行きましたが、女人(にょにん)の入峰(にゅうぶ)は禁制とのことに、泣く泣く戻って参りました」吟味(ぎんみ)の筆記が、やがて頼朝(よりとも)の手もとへ上げられて来た...
吉川英治 「日本名婦伝」
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