...しっとりした縞(しま)お召に...
泉鏡花 「婦系図」
...紋三は夫人の身体が突然しっとりと柔かく...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...そのしっとりした重さに感心した...
太宰治 「パンドラの匣」
...しっとりとした趣があろう...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...しばらくの間でも女の家にいた間のしっとりした生活の味が忘られず...
近松秋江 「黒髪」
...私もやっぱり女の起居(たちい)振舞などのしっとりして物静かなところが不思議に気に入っているのであった...
近松秋江 「霜凍る宵」
...着物がしめっぽくしっとりしてるのが...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...如何に柔い光線としっとりとした陰影とはあっても...
豊島与志雄 「過渡人」
...霽(は)れにしてはしっとりとした...
中里介山 「大菩薩峠」
...しっとりした、有機性の薫りだ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...娘の身体がしっとり汗ばんで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...分前髪(わけまえがみ)の、面立(おもだ)ちのりりしい、白粉(おしろい)のすこしもない、年齢よりはふけたつくりの、黒く見えるものばかりを着た、しっとりとした、そのくせ強(しっ)かりとしたところのある、一目に教育のあることの知れる婦人が出て、あいにく逢えないことを詫(わ)び、明日の時間のことについて、二言三言丁寧な挨拶(あいさつ)がかわされた...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...しっとりとしていられたが...
長谷川時雨 「柳原※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子(白蓮)」
...新らしい蛇の目の傘がしっとり濡れたまゝ縁側に立てかけてあった...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...夜は静かに更けてしっとりした雑草の囁きとともに...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...しっとりしたひとになったという...
山本周五郎 「いさましい話」
...しっとりと軟らかい弾力を...
山本周五郎 「つばくろ」
...帽子に肩にしっとりと匂っている日の光をうら寂しく感じながら野原の中の一本路を歩いていると...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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