...と、森さんが、したり顔で、「ああ、それで解(わか)った...
田中英光 「オリンポスの果実」
...先生はれいのしたり顔で「日本人には大和魂がある」といつていつものとほり支那人のことをなんのかのと口ぎたなく罵つた...
中勘助 「銀の匙」
...と忠作がしたり顔である...
中里介山 「大菩薩峠」
...面白かった事、愉快であった事は無論、昔の不平をさえ得意に喋々(ちょうちょう)して、したり顔である...
夏目漱石 「草枕」
...そんなわけですよ」八五郎は少ししたり顔でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お慈悲を願ってやるぜ」万七はすっかりしたり顔です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...幽霊は二本足のある人間に決まったようなものだ」ガラッ八も大分したり顔でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...頬にも瞼(まぶた)にも傷はねえ」源吉はしたり顔でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...この鑑定に間違いはあるめえ」朱房の源吉は本当にしたり顔でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...みんなしたり顔で生きている...
林芙美子 「新版 放浪記」
...したり顔で偉らそうな口をきいたが...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...……わしには、その辺のところに、何か曰(いわ)くがあるように思われるんだが、いったい、お蔦という娘は、平常(ふだん)もそんなことをやりつけているのかどうか、その辺のところをたずねて見たか」伝兵衛は、したり顔で、「そこに如才はありません...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...したり顔で任務を努め...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...したり顔で「足利家も源氏の御嫡流...
吉川英治 「私本太平記」
...諸州の役署へ布達しておけ」知事はしたり顔である...
吉川英治 「新・水滸伝」
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