...しずかなる空の旅とおもっていたが...
海野十三 「太平洋魔城」
...海のそこにしずんでしまったんだよ...
海野十三 「電気鳩」
...あまりしずかにしているので...
江戸川乱歩 「鉄塔の怪人」
...軒しずくの音が座敷のうちに充ちてきた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...聡明な心を入れかえているのだ」陸はしずかに腸(はらわた)を中へ納めて創口を合わせ...
田中貢太郎 「陸判」
...其茅葺をつたう春雨の雫(しずく)の様に...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...スウィスの田舎(いなか)に静(しず)かな生活(せいかつ)をしながら...
ロマン・ローラン 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...もう帰る時分ですから」話は少しずつ延びる...
夏目漱石 「虞美人草」
...それから「シェクスピヤ」の墓碑の石摺(いしずり)の写真を見せて...
夏目漱石 「倫敦消息」
...徳川の礎(いしずえ)はいよいよ鞏固(きょうこ)で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...勝気な血がどうしても鎮(しず)まらないと...
長谷川時雨 「鬼眼鏡と鉄屑ぶとり」
...その部分からすこしずつ浸水してきた...
久生十蘭 「海難記」
...しずかにたずねると...
久生十蘭 「キャラコさん」
...それへ大匙四杯の牛乳を少しずつ加えて別にメリケン粉大匙五杯に焼粉(やきこ)を大匙半分と交ぜて篩(ふる)って今の物へ軽くザット混ぜて...
村井弦斎 「食道楽」
...少しずつ摸索(もさく)して行かれるのである...
柳田国男 「海上の道」
...「聞かしてもらおう」元のところへ戻って来て坐りながら、栄二が云った、「それはどういうことなんだ」「あんたは綿文さんのにんき者でした」とおすえは云った、「――お嬢さんのおきみさん、おそのさんの二人とも、お店(たな)の娘と出入りの職人というより、まるできょうだいのように仲がよかったし、いつかは、どっちか一人が栄さんと御夫婦になる、っていう噂(うわさ)でした」「栄さんなんて云うのはよせ」「そんな噂を聞いて」とおすえは続けた、「そんな噂を聞くたびに、あたしは胸がつかえてごはんも喰べられなかったくらいです」「おれの気持はわかっていた筈だぜ」おすえは頷いた、「わかっていました、わかっていましたけれど、女って気のせまいものなんでしょうか、耳からはいる噂のほうが、本当のことのように思えたんです、このままではだめだ、自分は中働き、相手は綿文のお嬢さん、このままではとてもかなわない、いつかはあんたを取られてしまう、どうしよう、どうしたらいいだろうって、――思い悩み、考えあぐねて、あたしずっと、夜も眠れないような日が続いたんです」「わかった」と栄二が云った、「それが本当のことならもうよせ」「いいえ云わせて下さい、もうひとことですから」とおすえは指で眼がしらを拭きながら云った、「――あんたをお嬢さんたちに取られないようにするには、綿文へあんたが出入りできないようにするほかはない、あたしはそのことばかり思い詰めていました、それから、――あとになってどうしてあんなことができたか、自分でもわからないんですけれど、綿文の旦那さまが、あの切を大切にしているのを知っていたので、それで、ふらふらっと」「もういい」と栄二が云った、「あとは聞かなくってもわかってる」「ごめんなさい」泣くな、と云って栄二は膝ですり寄り、おすえの躯を両手で抱いた...
山本周五郎 「さぶ」
...逆様(さかさま)にしても一しずくも落ちて来んスッカラカン……アハハハハ...
夢野久作 「近世快人伝」
...信玄のさしずじゃ...
吉川英治 「上杉謙信」
便利!手書き漢字入力検索