...ひと頃ほどしげしげとは出入りしなくなったのです...
梅崎春生 「Sの背中」
...往来で行き会う人々ももはや以前のように彼女をしげしげと見たり...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「可愛い女」
...山木の顔をしげしげと打ちながめたり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...……この内まで?」アリョーシャはしげしげと相手を眺めた...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...余りにしげしげと見てはいけない醜い発見物のようにさえ思われた...
豊島与志雄 「子を奪う」
...しげしげとながめます...
中里介山 「大菩薩峠」
...それをしげしげと見入った清澄の茂太郎...
中里介山 「大菩薩峠」
...病人の寝顔をしげしげと見つめている...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...しげしげと済して此方の顔を眺めるのに弱つて...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...二〇三斎は、しげしげと、闇太郎を見詰め続けたが、相手は例によって、膝を揃えて、坐ったまま、片手で顎(あご)を撫で上げながら、天井に目を向けて、平気な顔だ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...さっき「今日は」と真先に立って来た娘がしげしげと私を振りかえって見ていたが小戻(こもど)りして不意に私を抱き上げて何も言わないで頬ずりした...
水上滝太郎 「山の手の子」
...あなたにこたえたんですかね?私 え? ……(びっくりして相手をしげしげと見ていた末に...
三好十郎 「冒した者」
...しげしげと訪ねてくる安さんの根気にまかされて爺さんは...
矢田津世子 「神楽坂」
...横からしげしげと眺めたり...
山本周五郎 「日本婦道記」
...弥五郎一刀斎はその杖ごしにしげしげと典膳のすがたを覗いていた...
吉川英治 「剣の四君子」
...心の奥から妹夫婦の揃った姿を、しげしげと今、見るふうだった...
吉川英治 「私本太平記」
...喘(あえ)ぎながら相手の顔をしげしげと――「あっ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...……それにつけ、その姿を、一目なと、亡き無二斎どのに見せたかったなあ」半太夫、亀右衛門丞などの人々は、相顧(あいかえり)みて、またしげしげと、武蔵の姿を見直していたが、「オオ、用談を忘れた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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