...それがどうしても少女のようなしぐさだった...
有島武郎 「或る女」
...手曳きをする時佐助は左の手を春琴の肩(かた)の高さに捧(ささ)げて掌を上に向けそれへ彼女の右の掌を受けるのであったが春琴には佐助というものが一つの掌に過ぎないようであったたまたま用をさせる時にもしぐさで示したり顔をしかめてみせたり謎(なぞ)をかけるようにひとりごとを洩(も)らしたりしてどうせよこうせよとはっきり意志を云い現わすことはなく...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...左大臣のあのしつッこい所作(しぐさ)を見ているうちに...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...物を言わないで物を言うよりも多くを相手に伝えるこの西洋流のしぐさは...
寺田寅彦 「自由画稿」
...牛(うし)や馬(うま)でも地上(ちじやう)に軟(やはら)かな草(くさ)の繁茂(はんも)する季節(きせつ)が來(く)れば自然(しぜん)に乾草(ほしぐさ)や藁(わら)を厭(いと)ふやうになる...
長塚節 「土」
...二の腕へ載せるのは女のしぐさだというのである...
野村胡堂 「胡堂百話」
...大袈裟に引きとめる科(しぐさ)で...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...愛らしいともいうべきしぐさであるにもかかわらず...
久生十蘭 「海豹島」
...眼の前の空気をかき抱くようなしぐさをしながら...
久生十蘭 「西林図」
...と叫んで小鳥がとまり木から飛び立つような科(しぐさ)で立上った...
久生十蘭 「魔都」
...不気嫌な時には如何にも頭痛に堪えられぬといふ露はなしぐさで...
牧野信一 「好色夢」
...驚くばかり巧みなしぐさで表わした...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...有名な悲劇役者のしぐさをまね...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...芝居じみたしぐさで...
三好十郎 「肌の匂い」
...――それを乳母は見送ると同じい仕草(しぐさ)をその乳首の上に加えたが...
室生犀星 「童子」
...こんなしぐさは知識のある人間のすることではなく...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...それをこうしてあれをどうして」たんば老人はキセルでなにかの廻るようなしぐさをした...
山本周五郎 「季節のない街」
...たとえば雪の夜道に苦しむお谷のしぐさは...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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