...どうもよくない」と眉をしかめてゐるのも思ひ当るふしがないでもない...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...ろくな事のあつたためしがない...
種田山頭火 「其中日記」
...決してすぐれた作が出来たゝめしがない...
田山録弥 「社会劇と印象派」
...私以上にだらしがないけれど...
徳田秋聲 「彷徨へる」
...旦那のお許しがない以上...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...あの魚が一疋も病気をして医者にかかった試(ため)しがない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...しがない日傭人(ひようとり)の兵隊たちは...
萩原朔太郎 「日清戦争異聞」
...女はみンなだらしがないつてわけでもねえンだな」りよが黙つた...
林芙美子 「下町」
...成功したためしがないのだ...
久生十蘭 「春雪」
...根がしがない雑報記者の事だから...
久生十蘭 「魔都」
...エリクソンは昨日までしがない食堂の給仕係だった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「バブル崩壊」
...しがないチラシ売人まで様々...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...私は若い女の生活を間近に見た試しがないので...
牧野信一 「早春のひところ」
...昔から別様であったためしがないほどのものでなければ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
......
山之口貘 「鮪に鰯」
...こんなしがない夫婦の上にまでかかって来ている」正成はしんそこ恐れた...
吉川英治 「私本太平記」
...母上様のおゆるしがないうちは...
吉川英治 「新書太閤記」
...寝てまでとったためしがないんだもの……」梯子段(はしごだん)をふむ音がしたので...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索