...さあそれもしかたがありません...
海野十三 「金属人間」
...生きた人が羨ましくってしかたがなかったのです...
田中貢太郎 「蓮香」
...先(ま)ず朝のうちに本郷西片(ほんごうにしかた)町にある杉浦博士邸を訪ねて診察を受け...
谷崎潤一郎 「細雪」
...いつかはまためぐって来そうに思われてしかたがない...
寺田寅彦 「柿の種」
...またそれが日本人以外の外国人がそれぞれの外国の自然に対する見方とそれに対する反応しかたと比べていかなる特色をもつかということを主として意味するように思われる...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...遮二無二おしかたづけてしまったお銀様は...
中里介山 「大菩薩峠」
...支那人式(しなじんしき)の仕方(しかた)からすれば至極(しごく)幼稚(えうち)な不正(ふせい)を行(おこな)つてゐたことが分(わか)るし...
南部修太郎 「麻雀を語る」
...その化かしかたも深刻であるのと...
長谷川時雨 「春宵戲語」
...どうも驚いたけれども仕方(しかた)がない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...「しかたがない」こけた美しい頬へ寂しい笑いをのせてお艶ちゃんは...
正岡容 「寄席」
...此(か)うなツてはもう爲方(しかた)が無い...
三島霜川 「水郷」
...前便を出しかたがた市場へ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...だけど待てそんな事をしても何になるのだ?そうすれば徹男さんが生き返って来るのか?又、世の中のタメにでもなるのか?ヘ! バカな事はやめるがいい!転向といえばおかしげに響くけれど考え方や生き方の、時々変らぬ人がどこに居るのだ?転向は、実は成長かもわからないのだそうだ、しかし、そうだとも人間は変る、弱い、まちがいやすい転向はしかたがない、許されてよいムッソリーニがいったという青年時代に社会主義者にならぬ者は腰ぬけだ同時に、大人になってから国家主義者にならぬ者は阿呆であるしかし、そのムッソリーニが、もう一度口のはたを拭いて左翼になってノコノコ出て来たら、どうなるの?転向者はそれでよいが、転々向者は許せない!しかし美沙子お前はあの男の思想の内容を知っているのか?左翼の思想のどこがどんな具合になって右翼につながって行きそれが又、どこがどんなに発展して左翼に流れこんで来たのか?して又、あの男の昔と今の思想そのものがどんなふうに、まちがったものを含んでいるのか?問題はホントはそこに在るのではないのか?そうだ、しかし私はあの男の昔の思想と今の思想を知っているすくなくとも或る所までは知っているしかし私にはそんな思想のなかみはどうでもよいまた、ほかに転々々々々向者が何百万人いようとも知った事ではないただこの私、この私――緑川美沙という一人の腐れ女がただあの男――山田教授という一人の男といっしょには生きておれないあの男を、かつて尊敬し、信じ、愛した気持の高さと同じだけの深さで今あの男をケイベツし、憎み、咒っているという事だどんなリクツを持って来ても、どんな理由を持って来てもこれはドカンと私のうちに根をおろしてしまって動かないもう、しかたがない...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...しかたがないというんでね...
三好十郎 「その人を知らず」
...しかたなしに男は床の間の香爐の蓋(ふた)をあけようとすると...
室生犀星 「香爐を盗む」
...気がめいってしかたがありませんでしたが...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...しかたがないから向うへいって...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...「しかたがない、お互いは神ならぬ身」と宋江は仲をとって、「――武松、これからはこれを縁に、親しく義を交(か)わして行くがいい...
吉川英治 「新・水滸伝」
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