...思わずも悚然(ぞっと)せしが、これ、しかしながら、この頃のにはあらじかし...
泉鏡花 「一景話題」
...しかしながら、滋養物なる砂糖の甘味を感ずるために発達した舌は、不滋養物なるサッカリンをも甘く感ずるごとくに、自己団体の利益のために生じた個体の利他心は、他の団体に属する個体に対して利他的行為をなしたる時にも、満足の感じをえるために他民族に対して人道を行なうは決して悪いことはない...
丘浅次郎 「人道の正体」
...しかしながらもし物質的文明の進歩に遅れたならば...
丘浅次郎 「戦争と平和」
...しかしながら、もし田舎出の素人がこの業を成さんと思うならば、これは妻君の内職として、家賃を働き出すくらいの望みをもってしなければならぬ...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...しかしながら神のこの上ない力についてのこの先入の意見が私に浮んでくるたびごとに...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...しかしながら、主義は細断することを得ないものである、真実なるものの論理は直線的なものである、真理の特性は追従を知らない所にある...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...しかしながら、あの娘――と思い出すと、さすがの伊太夫も自分ながら気落ちがしてなりません...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかしながら、それは蟻が一生懸命で生殺(なまごろ)しの虻(あぶ)に取りついているように、ズルズルと引張っては、またはなしてしまい、また引張っては離れ、離れては引張り、引張っているうちに自分の腰が砕け、砕けた腰がまた箝(はま)ると、揉手(もみで)をして取りつき、右が入って抱き込んだかと思うと、勝手が悪いと見えて捲き直してみたり、諸差(もろざ)しになったから、もうこっちのものと思っている途端に、また自分の腰がグタグタと砕けて、力負けをしてしまったり、本人は一生懸命のつもりだろうが外目(よそめ)で見れば、屍骸を玩具(おもちゃ)にして四十八手のうらおもてを稽古しているようで、見られたものではありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかしながら、白骨へ来て以来の、お雪ちゃんの知合いには、曾(かつ)て弥兵衛さんという人は一人も無いから、これは、このたびの山道に、臨時にやとった山の案内者か、強力(ごうりき)かなにかであろうと思われます...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかしながら、ついに日本政府は脱退した...
蜷川新 「私の歩んだ道」
...しかしながら死の決心をなすことそのことが尊いのではない...
波多野精一 「時と永遠」
...しかしながら、多数の学者は同王の治世は西暦紀元前二二五〇年の頃であるとし、即ち今を距ること約四千百余年以前にバビロンを統治した人であると言うておる...
穂積陳重 「法窓夜話」
...しかしながら、一般に、人口増加が進行中の場合には、平均結婚年齢が平均死亡年齢よりも少く、従って時を同うする死亡と比較した結婚の比率は、結婚まで生存する産児の真の比率を表わすには大に過ぎるであろう...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...1)See extracts from Daniel de Foe, in Sir F. M. Eden's valuable Work on the poor, vol. i. p. 261.2)サア・F・M・イードゥンは、労働能力のある間は職業を与えられ労働能力のない時には衣食を与えられるという、貧民の想像的権利について、極めて正当に次の如く述べている、『しかしながら、その実行が出来そうにもないような権利が、存在すると云い得べきか否かは、疑わしいことである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...しかしながらかくのごときは一面観に過ぎないであろう...
三上義夫 「和算の社会的・芸術的特性について」
...しかしながら、此の二つの敵対した客体の運動に対して、いずれに組するべきかその意志さえも動かす必要なくして、存在理由を主張し得られる素質を持つものが、此の社会に二つある...
横光利一 「新感覚派とコンミニズム文学」
...しかしながらかかることは...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
...しかしながら、我々はこれを一つの認識の論と目すべきではない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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