...頭の上の素焼の甕にさわやかな朝日の光を浴びて次第に噴(ふ)き井(い)から遠ざかって行った...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...珍しくすがすがしい涼風が木の間から来て窓の白いカーテンをそっとなでて通るさわやかな天気だったので...
有島武郎 「或る女」
...わざとさわやかな朝の時間を選んだのであった...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...たっしゃでくらせよ」とおことばをおかけになりましたのがゆうきのはりきったさわやかなおこえでござりました...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...四月のさわやかな黎明(れいめい)も...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...あのさわやかな鐘の音が眞夜中を報じてしんしんと鳴り響くのであらう...
「修道院の秋」
...「――――」「お話して下さいませんの?」このさわやかな子供らしい声も...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...さわやかなる風景の中にしあれば...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...私は机に伏さったまま郊外のさわやかな夏景色を頭に描いていた...
林芙美子 「新版 放浪記」
...私は机に伏さったまゝ郊外のさわやかな夏影色を...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...唯(ただ)四辺(あたり)の静にさわやかなるを喜び...
樋口一葉 「うつせみ」
...人生を鋭利なナイフで切ってその断面を見せたというようなさわやかな感じがある...
平林初之輔 「ルヴエルの『夜鳥』」
...さわやかな朝の空であった...
本庄陸男 「石狩川」
...散らされた嵐を呼ぼうとするそして全線の中で波立つ水平をめぐる気負った清新さと共に労働の鼓動をうたう青年舵手を見たそれは没落の腐り水を洗う新ネフスキー街の掃除夫牢獄の暗鬱を吹き払うさわやかな秋の青嵐―――わたしらはこの日本一のみず/″\しさをもつ詩人に...
槇村浩 「人民詩人への戯詩」
...十七日 きょうはさわやかな上天気です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...このさわやかな心持を誰に話そう? ……...
吉川英治 「親鸞」
...さわやかな気持が...
吉川英治 「無宿人国記」
...色はたくまずしてさわやかな諧調を保っている...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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