...こうさもしくなるのをあわれまないでもなかったが...
有島武郎 「或る女」
...しかししばらくのうちにそんな事をする木部の心持ちがさもしくも思われて来た...
有島武郎 「或る女」
...いかにさもしくとも力なくとも人間は人間であることによってのみ尊い...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...人間は家という暖かさもしくは安楽の場所――最初は肉体的の暖かさの...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...私たちは、いつでもおっかなびっくりで、心の中で卑怯な自問自答を繰りかえし、わずかに窮余のへんてこな申し開きを捏造し、責任をのがれ、遊びの刑罰を避けようと致しますから、ちょっとの遊びもたいへんいやらしく、さもしく、けちくさくなってしまいます...
太宰治 「風の便り」
...さもしく醜くきたなくしぼんだ...
太宰治 「道化の華」
...いかにもさもしく汚く見えるものである...
太宰治 「ロマネスク」
...さもしく響く挨拶だと思いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...と同時に自分の卑劣な行為がさもしくなって...
平林初之輔 「オパール色の手紙」
...金の事にさもしくて...
松本泰 「日蔭の街」
...人情がさもしくなる...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...さもしくしかしこっそりと一人で微笑(ほほえ)んで座っている...
室生犀星 「しゃりこうべ」
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