...その間をさまよう放牧の馬の群れはそぞろに我々の祖先の水草を追うて漂浪した昔をおもい出させる...
芥川龍之介 「日光小品」
...しかし単に道路だけでなくまた『さまよう者』を意味する...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...ボックス・コートにさまようてゐた...
ロバート・ルイス・スティーヴンソン 佐藤緑葉訳 「醫師と旅行鞄の話」
...」彼の羊の方がつねに彼の想いよりも高い牧場(まきば)にさまようような羊飼いの生活のみじめさは何といったらよいものやら...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...西行(さいぎょう)も宗祇(そうぎ)も芭蕉(ばしょう)もまたそれら世捨人のあとを慕(しと)うて旅にさまようた...
高浜虚子 「俳句への道」
...きまって毎夜の夢にさまよう家並(やな)み...
谷譲次 「踊る地平線」
...一たい西班牙(スペイン)ほど結婚の絶対性を大事にしている近代国家はあるまい――どうも色んな方面へ話題がさまようようだけれど...
谷譲次 「踊る地平線」
...この神苑の花の下をさまよう...
谷崎潤一郎 「細雪」
...自分で自分を求めてさまようそのさまよいの中にようやくみずからにめぐりあうことのできた悦び...
中井正一 「リズムの構造」
...「われは此処彼処(ここかしこ)にさまよう落葉(おちば)」といったのはやはり詩人の Jeux d'esprit(心の遊戯)であったのだ...
永井荷風 「夏の町」
...遊魂(ゆうこん)今もさまようて...
中里介山 「大菩薩峠」
...それがまだこの辺を宙にさまようて出没しているのは奇怪千万(きっかいせんばん)のことで...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこらあたりをさまようて...
中里介山 「大菩薩峠」
...船べりをさまよう清澄の茂太郎を見直しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...バイロン卿先祖伝来の海の上にさまようてゐるのだ君は 資本家独裁のための他のとてつもない法案の拘束を可決した後たゞ一つの弾圧法に散票を投じたことを生涯の誇りとする君は君の愛するあひるに対すると同じ情熱を××にそゝいだいのちうぬぼれにも君の扇動したと自任する人々が断頭台に上らされる頃にはすばやく見切りをつけて引きあげたのぢゃないか君の利害は君の赤票に...
槇村浩 「長詩」
...いとわしい死のこっそりとさまよう街路を通って...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...どこを歩きさまようても...
吉川英治 「江戸三国志」
...幽谷(ゆうこく)をさまようこと五...
吉川英治 「三国志」
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