...その間をさまよう放牧の馬の群れはそぞろに我々の祖先の水草を追うて漂浪した昔をおもい出させる...
芥川龍之介 「日光小品」
...深夜邸内をさまよう老婆の恐怖...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...× × ×私は日本アルプスの洞窟にさまよう心地で外へ出た...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「心霊の抱く金塊」
...時折り森のなかをさまようのは好きだとはいっているが...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...一旦(いったん)他国に出て異郷にさまようてみたならば...
高浜虚子 「俳句への道」
...ときどきそそっかしく鼻へあてる近眼鏡の蔭にさまよう眼付なんか...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「無駄骨」
...私は長い間さまようてゐた...
種田山頭火 「草木塔」
...この湖の上をさまよう影たちよ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...遊魂(ゆうこん)今もさまようて...
中里介山 「大菩薩峠」
...暫くあちらこちらさまようて...
中里介山 「大菩薩峠」
...たゞ彼女の口先から洩れる数々の言葉とのみ慣れ親しんで何処かの空をさまようてゐるだけで...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...津や大和にさまようて行ったのである...
室生犀星 「野に臥す者」
...彼等は永久に彼等の墓原……都大路をさまようのであろう...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...一様に阿鼻叫喚の巷(ちまた)にさまようた...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...禁漁区の魚のように新東京のバラック街をさまようている...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...あたりの暗(やみ)をさまよう螢の美しさに見とれていたので...
吉川英治 「江戸三国志」
...夜風の中をさまようている不審な人影が見えますゆえ...
吉川英治 「私本太平記」
...どうしてこんな戦場の夜をさまようていたものか...
吉川英治 「私本太平記」
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