...一秒でもこのいまわしい記憶のさまよう部屋の中にはいたたまれないように思え出した...
有島武郎 「或る女」
...今にも絶え入るかと危ぶまれるような荒い息気(いき)づかいで夢現(ゆめうつつ)の間をさまようらしく...
有島武郎 「或る女」
...夜中に森の中をさまよう事もあるでしょうからね...
江戸川乱歩 「悪霊」
...深夜邸内をさまよう老婆の恐怖...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...荒涼の磯をさまようもの...
太宰治 「懶惰の歌留多」
...きまって毎夜の夢にさまよう家並(やな)み...
谷譲次 「踊る地平線」
...――狂乞食がさまようてゐる...
種田山頭火 「松山日記」
...地形測量をする測量班員が深山幽谷をさまようて幾日も人間のにおいをかがずにいて...
寺田寅彦 「地図をながめて」
...死線にさまよう人間の子をかえりみる人はそれより多かったであろうか? 生き物をかわいがると言って...
永井隆 「この子を残して」
...仏頂寺弥助の亡霊がさまよう越中の山境へも出でず...
中里介山 「大菩薩峠」
...兇器を隠し持って夜の巷(ちまた)をさまようだろうか...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...(ホラティウス)確かな目的を持たない霊魂はさまよう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...島の内をさまよう内に...
柳田国男 「年中行事覚書」
...市中をさまようて...
吉川英治 「大岡越前」
...時折その梨苑をさまよう月よりも美しい佳人が見かけられる...
吉川英治 「三国志」
...おそらく彼らは百日のうちに飢餓困憊(きがこんぱい)をさまようしか道を知らないであろう...
吉川英治 「三国志」
...夜風の中をさまようている不審な人影が見えますゆえ...
吉川英治 「私本太平記」
...街をさまようているそうな...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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