...虚空(こくう)へさっと撞木(しゅもく)を楫(かじ)...
泉鏡花 「縁結び」
...さっと食卓(しょくたく)に近づいた...
ハーバート・ジョージ・ウエルズ 海野十三訳 「透明人間」
...青白い探照灯がさっと波立つ海面を照らしつけた...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...さっと全身が凍りついて...
太宰治 「玩具」
...黒い物の影がさっと掠(かす)めた...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...その時、マダム・ペンギンが、さっと出て来て、彼を抱き起し、大真面目な顔で塵を払い落してやったりしている……...
豊島与志雄 「蛸の如きもの」
...人間の白い牙はさっと現れた...
原民喜 「火の唇」
...彼女のところまでさっと吹いて来た...
堀辰雄 「菜穂子」
...グレイがさっと部屋を横切り...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...さっと一脈の明るみが流れる...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...血の流れがさっとほとばしって...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...さっと上の止り木に舞い上った鳥等は一枝...
宮本百合子 「餌」
...こうしたすべてのものがさっと赤くなりました...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...深喜はさっと躯をひらき...
山本周五郎 「花も刀も」
...さっと白扇をひらいた...
吉川英治 「新書太閤記」
...殺刀(さっとう)の下(もと)に魂切(たまぎ)らすことによって...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...覚(さと)ったであろう」「……いえ! いえっ」襟すじからさっと面上いっぱい蒼白の気を漂わせながら...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...さっと武蔵の通る空間を与えた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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