...さだめて、大きなほらを吹くことじゃろう」「火星には、火星王というのが、いるのですか...
海野十三 「火星兵団」
...ハッキリ見さだめることはできませんが...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...そして、これから追跡しようとするあの奇怪なスキーの条痕(あと)や、そして又その条痕(あと)の終点で、さだめしいま頃、腕を組んで夜空を振仰いでいるに違いない肥っちょの係員の姿を思い浮べながら、田部井氏のあとに続いて行った...
大阪圭吉 「寒の夜晴れ」
...さだめし女の子が...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...當時のさだめとして...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...大音あげて弁ずらく、将軍西国より御上洛ならば、さだめて、鞆、尾の道の傾城(けいせい)共を、御召連れなされ候わん...
直木三十五 「南国太平記」
......
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...「講釈に承りますると、参州の吉田御殿というお城の上の高い櫓(やぐら)から、千姫様が東海道を通る男という男をごらんになって、お気が向いた男はみんな召上げてお伽(とぎ)になさるということでござんす」「そんな話もありましたね、そういう事実も、まるっきり跡形なしのことではありますまいよ」「わたしも、実はあの時、千姫様のお目にとまった一人なんでございまして」「おやおや、それはお安くない、千姫様のお目に留まって、さだめて、たんまりと可愛がられたことであろうのう」「御免下さい」「逃げるのですか」「怖(こわ)くなりました」「意気地なし、幽霊のくせに、人間を怖がって逃げる奴があるものですか」「でも、怖くなりましたから、これで御免を蒙(こうむ)ります」「逃げるとは卑怯です、逃がしません」「お豊に申しわけがない」「何を言っているの、お豊はお前に反(そむ)いた女じゃないか」「でも、お豊に済みません」「済むも済まないもあったことじゃない、お前のようないい男は、女に弄(もてあそ)ばれなければならない運命に置かれてあるのですよ」「なぶり殺しでございますか、もうたくさんでございます、吉田御殿の裏井戸には、千姫様に弄ばれた男の骸骨でいっぱいでございました、わたしは怖い」「意気地なし」「逃がして下さい」「逃がさない」「罪です」「罪なんぞ知らない」かわいそうに、迷って出るにところを欠き、とりつくに人を欠いて、偶然にも暴女王の前へ出現したばっかりに、可憐(かれん)な色男は逆に取って押えられてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...この悲しき命(さだめ)に廻(めぐ)り合せたる我を恨み...
夏目漱石 「薤露行」
...時と場所をさだめて決闘をいどまば...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...さだめし大きな耳でも生えていよう……...
林芙美子 「新版 放浪記」
...次の十二カ月間に死ぬさだめにある人びとの顔を見...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...「それではさだめし...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...御大儀さまにござりました」「さだめし...
吉川英治 「新書太閤記」
...さだめし疲れていたろうに」「なんの...
吉川英治 「新書太閤記」
...「ここへ御本陣がさだめられたと知ると...
吉川英治 「新書太閤記」
...さだめて御当家にとられては...
吉川英治 「新書太閤記」
...次にはさだめし、兵法修行のため諸国を遊歴しておる者で――と武蔵がいうに違いないと、見ているような体(てい)だったが、武蔵が、「御当家の一弟子、北条新蔵と申さるる人(じん)が、仔細あって、ご存じの刀研(と)ぎ耕介の家に救われて、療養中にござりますゆえ、右まで、耕介の依頼に依って、お報(し)らせにうかがいました」と述べると、「えっ、北条新蔵が、返り討ちになりましたか」と、青年は驚愕して、気を落着けると、「失礼いたしました、わたくしは勘兵衛景憲(かげのり)の一子、小幡余五郎にございます...
吉川英治 「宮本武蔵」
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