...芭蕉も憂きわれを淋しがらせよ閑古鳥といひ、また旅人と我名呼ばれん初しぐれともいつたが、旅にさすらうて、折にふれつゝ人の世の寂しさ、哀れさ、またはゆくりなく湧き來る感興を味はふほど私にとつての慰藉はない...
近松秋江 「伊賀、伊勢路」
...水うち際にふわふわさすらうか...
小泉八雲 Lafcadio Hearn 戸川明三訳 「耳無芳一の話」
...ウーリヤントの中の合唱曲森にさすらう猟人を...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...さすらう影――「影よ」と問う「どこにあるというのか――この黄金郷なる地は?」「月詠の山々を越えて影の谷をくだりがむしゃらに駆けるのだ」とその影は返す――「黄金郷を探すというなら!」不安ノ谷むかし晴々と静かな小谷があったそこに人の住まうことはなしみな信じて戦に出向いたのだ穏やかな目をした星々が夜ごと居並ぶ空色の物見から花畑を下に見守ってくれるとあいだに日がな赤の陽射しもだらりと寝そべっていると...
エドガー・A・ポオ Edger A. Poe 「ポオ異界詩集」
...どんな思いをしてお前が一人でさすらう事だろうと思えば...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...怕るゝ胸をさすらうとすると...
牧野信一 「ベツコウ蜂」
...独り遠くにさすらうこと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...日光の下に七つの星を頂いて森をさすらう時...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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