...海はいかにも入り江らしく可憐(かれん)なさざ波をつらね...
有島武郎 「或る女」
...ところが、くつは岸の近くにおちたので、さざ波がすぐ、ゲルダの立っているところへ、くつをはこんできてしまいました...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「雪の女王」
...鯉を遊ばせた薄(うす)もみじのさざ波であった...
泉鏡花 「怨霊借用」
...繁茂の形態は水底にきざまれたさざ波模様に消されてしまう...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...樹(こ)がくれの池にさざ波が立って...
谷譲次 「踊る地平線」
...さざ波がしきりに走って...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...なないろのさざ波のよるとこぶし...
中勘助 「小品四つ」
...静かだった水面に異常なさざ波をたてた...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...絶えずさざ波のように広がった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...食卓でおしゃべりの広がる様子は周りを流れる小川のさざ波かと思うほど...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...朝あけの空をうつしたさざ波がそこの切り立った岸にぶつかって砕けていた...
本庄陸男 「石狩川」
...ひとしきり水の中に素早いさざ波を立てて沈む雀(すずめ)ほどの小さい水鳥は...
室生犀星 「姫たちばな」
...ときどきこまかなさざ波をたたんでいた...
山本周五郎 「青べか物語」
...汀(なぎさ)のさざ波である...
吉川英治 「折々の記」
...簾(すだれ)の目より細かい琵琶湖のさざ波をなでてくる涼風が...
吉川英治 「剣難女難」
...深淵(しんえん)にさざ波さえ立てぬ...
吉川英治 「三国志」
...汀(みぎわ)のさざ波は...
吉川英治 「三国志」
...そしてこんどは心ゆくまで気が乗ッていた容子(ようす)のようであったが――“さざ波や志賀のみやこは荒れにしを...
吉川英治 「私本太平記」
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