...薄手(うすで)のコップに泡(あわ)を立てて盛られた黄金色(こがねいろ)の酒は葉子の手の中で細かいさざ波を立てた...
有島武郎 「或る女」
...そこここにはようやく柔らかなさざ波やなめらかに光りを反射している水面があらわれはじめた...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...二度わたしは彼が水面に近づいたところにさざ波がおこるのを見たが...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...さざ波のように飛ぶかと思うとまた一...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...さざ波一つ立たない池に映った丘の森の色もまたなく美しいものである...
寺田寅彦 「写生紀行」
...なないろのさざ波のよるとこぶし...
中勘助 「小品四つ」
...日頃さざ波のように寄せている微笑は消えて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...さざ波の立つ濠の水の色をながめていたが...
久生十蘭 「春雪」
...なぜならさざ波では巻き込めぬ...
エドガー・A・ポオ Edger A. Poe 「ポオ異界詩集」
...さざ波や比良(ひら)山風の海吹けば釣する蜑(あま)の袖(そで)かへる見ゆ (読人しらず)実景をそのままに写し...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...よするさざ波の七文字にても湖邊のさま明らかなり...
松浦武四郎 「他計甚※[#「麾」の「毛」に代えて「公の右上の欠けたもの」、第4水準2-94-57](竹島)雜誌」
...日の光を反射して美しいさざ波を掻き立てていた...
室生犀星 「姫たちばな」
...青い青い水面のさざ波は...
吉川英治 「魚紋」
...そしてこんどは心ゆくまで気が乗ッていた容子(ようす)のようであったが――“さざ波や志賀のみやこは荒れにしを...
吉川英治 「私本太平記」
...水の手の貯水池にはさざ波が立ち...
吉川英治 「新書太閤記」
...『…………』蘆(あし)と蘆との間の静かなさざ波を切って水馬(みずすまし)や川海老(かわえび)が小さな波紋を縦横(じゅうおう)に描いている...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...それに白牡丹の一弁ずつを削(そ)いで並べたような透明の肉片のさざ波は...
吉川英治 「随筆 新平家」
...冬の樹洩れ陽は、さざ波のように、戦(そよ)ぐ梢(こずえ)から大地へこぼれていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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