...あわれむようなさげすむような顔つきをして...
有島武郎 「或る女」
...ふと――奴もまた自分をさげすむように言った...
高見順 「いやな感じ」
...自分では、もっとも、おいしい奉仕のつもりでいるのだが、人はそれに気づかず、太宰(だざい)という作家も、このごろは軽薄である、面白さだけで読者を釣る、すこぶる安易、と私をさげすむ...
太宰治 「桜桃」
...いったい何用なんだね?」とズヴェルコフはさげすむように答えた...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...彼はさげすむように言葉をつづけた...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...夫をさげすむと、どうしてもまた憎いものの竜之助の男ぶりが上ってきます...
中里介山 「大菩薩峠」
...番頭と小僧はさげすむような面をして二人を見ていますのを七兵衛は...
中里介山 「大菩薩峠」
...人をさげすむの癖がありましたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...その夜の夢に、あのイヤなおばさんが現われて、さげすむように、わたしの顔を見て笑い、『何をクヨクヨしているの、お雪ちゃん……もしねんねが生れたら、大切に育ててお上げなさいな、それがイヤなら、おろしておしまい、間引いておしまい、殺しておしまい』ああ、弁信さん――この次に、わたしが、あなたに手紙を書く時、わたしの心持が、どんなに変るかわかりますか」十四駒井甚三郎と、田山白雲とは、房州南端の海岸を歩いている...
中里介山 「大菩薩峠」
...兵馬は何とも答えないで、炉の火に手をかざしていたが、仏頂寺と、丸山とは、眼を円くして、女の方を穴のあくほどながめ、「それ見ろ」と口には言わないが、さげすむような、あざけるような目を、ジロジロと兵馬の方へ向けて、仏頂寺がその肩を一つたたいて、苦笑いをしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...と軽侮(さげすむ)ように丸い顎(あご)をしゃくって見せる...
夏目漱石 「永日小品」
...腹の中では新六を怨むかさげすむか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...さげすむように――その侮蔑(ぶべつ)がKに向けられたのか...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...幾分さげすむように...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...お初さん、お互に江戸ッ子――かよわいからだ、大敵を向うにまわした奴にゃあ、人情をかけてやりてえものだの――」闇太郎が、これだけ言って、相手の顔いろをうかがうと、お初は、眉(まゆ)を釣るようにして、紅い唇をぐっとひきゆがめ、さげすむように、じろりと一瞥して、「親分、おまはん、たのまれておいでなすったね――」二二お初は、嘲(あざけ)りのいろさえ見せて、闇太郎を尻目にかけるようにしながら、言葉を次ぐ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...古本屋のおやぢはさげすむやうに見た...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...または彼女を憎みさげすむことに飽きるように...
山本周五郎 「青べか物語」
...または彼女を憎みさげすむことに飽きるように...
山本周五郎 「青べか物語」
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