...声を出す隙さえないという有様だった...
海野十三 「火星兵団」
...月影さえない真暗闇(まっくらやみ)の中だった...
海野十三 「空中墳墓」
...取押さえない訳には行かぬ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...私は口を利く気力さえない半死半生の病人のようになる...
田中英光 「野狐」
...それは強ち矛盾によるものでさえない...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...特別な教育というほどのものさえないくせに...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...養ってやる必要さえないと思ってたんだからね...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...苦労の影さえない...
豊島与志雄 「死ね!」
...花は固より、花瓶さえない...
豊島与志雄 「道化役」
...頽廃ほどの気慨さえない...
豊島与志雄 「囚われ人」
...海老(えび)の鬼殻焼(おにがらやき)はあるが亀の子の甲羅煮は今でさえないくらいだから...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...運の悪い人は一生に一度見る機会さえないと言われた井戸の名器で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そんなひまさえないくらい...
室生犀星 「花桐」
...礼を云ってもらおうとする者さえないのだ...
山本周五郎 「さぶ」
...われわれにはその一つの灯さえないのだ」「松山は疲れている」と甲斐が云った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...一日中動かなくとも黙っていようとも誰に気兼ね一つする要さえない...
横光利一 「馬車」
...いささかの休息さえない...
吉川英治 「私本太平記」
...何する間さえないのも戦(いくさ)だった...
吉川英治 「新書太閤記」
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