...今では寸分(すんぶん)の刺戟(しげき)さえない...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...それでも色のさえない元気のない面長なお松の顔は深く自分の頭に刻まれた...
伊藤左千夫 「守の家」
...白い骨粉ひとつさえない...
大阪圭吉 「坑鬼」
...怒りさえない...
太宰治 「姥捨」
...今日学問乃至学と呼ばれるものでさえない...
戸坂潤 「再び科学的精神について」
...賢明でなく怜悧(れいり)でなくたいして幸福でさえないかもしれないと...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...が俺はピストルを手にしたことさえない……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...体には息使いの動きさえないようでした...
豊島与志雄 「白蛾」
...花は固より、花瓶さえない...
豊島与志雄 「道化役」
...縋つく手掛りさえない彼女の冷淡な言葉や...
豊島与志雄 「紫の壜」
...蒔絵(まきえ)一つさえない安物であった...
直木三十五 「南国太平記」
...いっこうさえない...
夏目漱石 「三四郎」
...あいにくとナイフさえない...
野村胡堂 「胡堂百話」
...犬の足跡さえない...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...言葉では時間さえないのだから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...超過勤務の手当さえない代りには不平もいわず...
山本周五郎 「季節のない街」
...礼を云ってもらおうとする者さえないのだ...
山本周五郎 「さぶ」
...現在の私にはそれを考えるいとまさえないようだ...
山本周五郎 「日本婦道記」
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