...口にそうとは言わなくともさえない顔色して自然元気がない...
伊藤左千夫 「去年」
...ベッドから起上る腰の力さえないんですよ」「ああ...
海野十三 「海底都市」
...――まず坑内には骨さえないのですから...
大阪圭吉 「坑鬼」
...ファウストを通読した事さえない...
太宰治 「正義と微笑」
...ブルジョアでさえないじゃないか...
太宰治 「如是我聞」
...いっしょにいてもさえない顔をしていた...
田中貢太郎 「蓮香」
...数学の形象自身には何等の物理的意味又は論理的意味さえないという数学的形式主義者の主張は無意味ではないが...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...さえない白髪がへんに多いのが目立っていたが...
豊島与志雄 「椎の木」
...身を置く所さえないくらいです...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...しかも人間の温かい血という感じさえない...
中里介山 「大菩薩峠」
...さそくの返事も出る遑(いとま)さえないうちに...
夏目漱石 「草枕」
...その証拠さえないように思われた...
牧逸馬 「上海された男」
...猫の子一匹の気配さえない死の部落椹島であったのだ...
松濤明 「春の遠山入り」
...その仲間のほしい心持を話す友達さえないということが...
「赤い貨車」
...自分を恐れて手をもぎはなすほどの力さえない男の気持を...
宮本百合子 「お女郎蜘蛛」
...まだ川洲(かわす)の砂に千鳥の足痕(あしあと)さえない夜明け方に...
吉川英治 「江戸三国志」
...なんのご苦労さえないようにみえる...
吉川英治 「私本太平記」
...誰の眼で見ても一粒の玄米さえないと思われた穀倉から...
吉川英治 「日本名婦伝」
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