...しかし鯰は生れつきひどい臆病ものですから、松明のあかりを見たら、尻ごみこそすれ、水の上に浮き上つて来る筈はないんですがね...
薄田泣菫 「雨の日に香を燻く」
...再び街へ、人ごみの中へ...
種田山頭火 「其中日記」
...あすこの裏あたりのごみごみした長屋を軒別(けんべつ)見て廻った...
近松秋江 「うつり香」
...其の物音に驚いて二三羽の雀が地の上から植込(うゑごみ)の蔭に飛び立つ...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...和歌浦(わかのうら)の深みへ身を投げて死んでおしまいなすった」紀三井寺の入相の鐘の音(ね)というところに妙に節をつけて――つまり鳴物入(なりものい)りで話にまた相当の凄味(すごみ)がついた...
中里介山 「大菩薩峠」
...そういうきわめて小さいごみでも日光が散らされるからである...
中谷宇吉郎 「自然の恵み」
...どんな心持だ」「全くぞつといたします」「もう一度やり直す氣はないのか」「飛んでもない親分」音次郎は尻ごみするのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...もう大変な人ごみでした...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...ふりかかるごみは払わにゃならんという仕儀になったのだ...
平林初之輔 「探偵戯曲 仮面の男」
...書類ごみに混ざって机上にあった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...ごみ箱のそばの雑草を引っこ抜いたり...
正岡容 「小説 圓朝」
...道頓堀の人ごみの中でも...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...(尻ごみをする)いいですよ...
三好十郎 「好日」
...あなたは――(こごみこんで...
三好十郎 「樹氷」
...折から停車場に尻ごみして...
三好達治 「霾」
...月はまるで塵埃(ごみ)の中で育った月のように...
横光利一 「上海」
...「備後三原(びんごみはら)に会せよ」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...本所(ほんじょ)のごみごみした町の...
吉田甲子太郎 「秋空晴れて」
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