...何もかもごまかして生きて行く...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...動作や懸け声でごまかしているようにも見えた...
梅崎春生 「庭の眺め」
...警官隊も、消防官も、この思いもよらぬ、ごまかしに、まんまとひっかかってしまったのです...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...そうして狡猾にごまかしているだけなのである...
太宰治 「如是我聞」
...あんたがなんとごまかしなさっても...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...そして絵はがきのごまかしっこをして...
豊島与志雄 「街の少年」
...いいところで、またごまかして、今度は高札場の石垣の横に潜み直していると、井戸側から出たよた者は、がんりきありとは全く知らないらしく、這い出して来て、前後左右を見廻し、ホッと一息ついたのは、つまりこの点に於ては御同病――いましがた、立って行った御用提灯、打割羽織の目を忍ぶために、自分が柳の木の蔭で平べったくなっていると共に、このよた者は、井戸側の蔭に這いつくばって、その目を避けていたのだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...遠方だと言ってごまかしてしまえば自然この話はうやむやに解消ができるとこう考えたものですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼女は瞬(またた)きでごまかした...
夏目漱石 「明暗」
...長年の修業でどうにでもごまかしてみせると云つたきびしさで...
林芙美子 「晩菊」
...なにかをごまかし...
火野葦平 「花と龍」
...ごまかしでもするやうに盃の手を早めながら...
牧野信一 「蝉」
...しかしこの時の試験もごまかして済んだ...
正岡子規 「墨汁一滴」
...そして、そのことはここに云われているひろい輪とその中の独自な輪との関係をはっきりさせていないと、何となし心を傷ましめる感じにうけとられてセンチメンタルになる傾があるのね、そして、自分の評価に自分の方でついてゆかず、ごまかして、人情主義になるのね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ごまかしも安易も妥協もない...
村山俊太郎 「国分一太郎君の仕事」
...別当が馬の麦をごまかして金を溜(た)めようとしているのも知るまい...
森鴎外 「鶏」
...慰めや励ましにはごまかしがある...
山本周五郎 「さぶ」
...ごまかしだっ、依怙贔屓(えこひいき)だっ」「大きな声をするなっ」「するッ――おれはするっ――仏法を亡すものは仏弟子(ぶつでし)どもだっ」「これっ、若輩のくせに、いいかげんにしろ」「いってわるいか」「わるい!」「じゃあ、貴公も、まやかし者だ、仏陀にそむいて、山の司権者におべッかるまやかし者だ」「生意気をいうなッ」朱王房の襟(えり)がみをつかんで、そこへ仆(たお)した...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??