...仕方なく先方で『あのじばんなんとか……』と口の中でごまかしたが...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...そして色彩でごまかしたような画...
上村松園 「日本画と線」
...グロテスクな誇張でごまかしたものになってしまった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...あんなごまかしを言っているうちは...
太宰治 「家庭の幸福」
...その場をごまかして置くような事も今は...
太宰治 「私信」
...私たちは狡く立ち廻ったりごまかしたり...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...」「ごまかしてやしません...
豊島与志雄 「丘の上」
...「そんなごまかしでは駄目だ」と彼は口をんだ...
豊島与志雄 「子を奪う」
...速足をごまかして...
中里介山 「大菩薩峠」
...」と男は、そんなふうに、ごまかしました...
新美南吉 「名なし指物語」
...二寸ばかりのキュウピーを一ツごまかして...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...お京は家に入るより洋燈(らんぷ)に火を点(うつ)して、火鉢を掻(か)きおこし、吉ちやんやお焙(あた)りよと声をかけるに己れは厭やだと言つて柱際(きは)に立つてゐるを、それでもお前寒からうでは無いか風を引くといけないと気を付ければ、引いても宜いやね、搆(かま)はずに置いておくれと下を向いてゐるに、お前はどうかおしか、何だか可怪(をか)しな様子だね私の言ふ事が何か疳(かん)にでも障つたの、それならそのやうに言つてくれたが宜(い)い、黙つてそんな顔をしてゐられると気に成つて仕方が無いと言へば、気になんぞ懸けなくても能(い)いよ、己れも傘屋の吉三だ女のお世話には成らないと言つて、寄かかりし柱に脊を擦(こす)りながら、ああつまらない面白くない、己れは本当(ほんと)に何と言ふのだらう、いろいろの人がちよつと好い顔を見せて直様(すぐさま)つまらない事に成つてしまふのだ、傘屋の先(せん)のお老婆(ばあ)さんも能い人で有つたし、紺屋(こうや)のお絹さんといふ縮れつ毛の人も可愛(かあゆ)がつてくれたのだけれど、お老婆さんは中風(ちうふう)で死ぬし、お絹さんはお嫁に行くを嫌やがつて裏の井戸へ飛込んでしまつた、お前は不人情で己れを捨てて行し、もう何もかもつまらない、何だ傘屋の油ひきになんぞ、百人前の仕事をしたからとつて褒美(ほうび)の一つも出やうでは無し朝から晩まで一寸法師の言(いは)れつづけで、それだからと言つて一生立つてもこの背(せい)が延びやうかい、待てば甘露(かんろ)といふけれど己れなんぞは一日一日嫌やな事ばかり降つて来やがる、一昨日半次の奴と大喧嘩をやつて、お京さんばかりは人の妾に出るやうな腸(はらわた)の腐つたのでは無いと威張つたに、五日とたたずに兜(かぶと)をぬがなければ成らないのであらう、そんな嘘つ吐(つ)きの、ごまかしの、欲の深いお前さんを姉(ねえ)さん同様に思つてゐたが口惜しい、もうお京さんお前には逢はないよ、どうしてもお前には逢はないよ、長々御世話さま此処からお礼を申ます、人をつけ、もう誰れの事も当てにする物か、左様なら、と言つて立あがり沓(くつ)ぬぎの草履下駄足に引(ひき)かくるを、あれ吉ちやんそれはお前勘違ひだ、何も私が此処を離れるとてお前を見捨てる事はしない、私は本当(ほんと)に兄弟とばかり思ふのだものそんな愛想(あいそ)づかしは酷(ひど)からう、と後から羽がひじめに抱き止めて、気の早い子だねとお京の諭(さと)せば、そんならお妾に行くを廃(や)めにしなさるかと振かへられて、誰れも願ふて行く処では無いけれど、私はどうしてもかうと決心してゐるのだからそれは折角だけれど聞かれないよと言ふに、吉は涕(なみだ)の目に見つめて、お京さん後生だから此肩(ここ)の手を放しておくんなさい...
樋口一葉 「わかれ道」
...愛国心をごまかしたり...
久生十蘭 「だいこん」
...夫人は自分の心持蒼くなっている顔をごまかした...
堀辰雄 「聖家族」
...訊ねられたら胃の薬なんだ位ひでごまかして仕舞ふ……などゝ私は突差の間に考へた...
牧野信一 「妄想患者」
...何とかちょいと鼻を鳴らすとその場はごまかして...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ともかくごまかした金には違いないだろう...
山本周五郎 「七日七夜」
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