...何とかごまかしたり...
梅崎春生 「狂い凧」
...うまくごまかして...
海野十三 「恐竜島」
...ひとりずつ順々に隠し芸をして夜を更(ふか)しいよいよ翌朝になってやっとおしまいのひとりが二枚の皿の手品をやって皆の泥酔と熟睡の眼をごまかし或る一隅からのぱちぱちという喝采(かっさい)でもって報いられ...
太宰治 「ロマネスク」
...酒でごまかして一日をすごした...
種田山頭火 「其中日記」
...子供心にもごまかしの不正商品に対して小さな憤懣(ふんまん)を感じるということの入用をしたわけである...
寺田寅彦 「柿の種」
...多少酔った方がごまかしがつく……とそう考えたのだった...
豊島与志雄 「足」
...鯖の切身をちょっとごまかして...
豊島与志雄 「花ふぶき」
...一概にごまかしと軽蔑してしまうわけにゆかないのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...昔からこの手でだいぶ大方(たいほう)の諸君子をごまかしたものでげす...
夏目漱石 「琴のそら音」
...お京は家に入るより洋燈(らんぷ)に火を点(うつ)して、火鉢を掻(か)きおこし、吉ちやんやお焙(あた)りよと声をかけるに己れは厭やだと言つて柱際(きは)に立つてゐるを、それでもお前寒からうでは無いか風を引くといけないと気を付ければ、引いても宜いやね、搆(かま)はずに置いておくれと下を向いてゐるに、お前はどうかおしか、何だか可怪(をか)しな様子だね私の言ふ事が何か疳(かん)にでも障つたの、それならそのやうに言つてくれたが宜(い)い、黙つてそんな顔をしてゐられると気に成つて仕方が無いと言へば、気になんぞ懸けなくても能(い)いよ、己れも傘屋の吉三だ女のお世話には成らないと言つて、寄かかりし柱に脊を擦(こす)りながら、ああつまらない面白くない、己れは本当(ほんと)に何と言ふのだらう、いろいろの人がちよつと好い顔を見せて直様(すぐさま)つまらない事に成つてしまふのだ、傘屋の先(せん)のお老婆(ばあ)さんも能い人で有つたし、紺屋(こうや)のお絹さんといふ縮れつ毛の人も可愛(かあゆ)がつてくれたのだけれど、お老婆さんは中風(ちうふう)で死ぬし、お絹さんはお嫁に行くを嫌やがつて裏の井戸へ飛込んでしまつた、お前は不人情で己れを捨てて行し、もう何もかもつまらない、何だ傘屋の油ひきになんぞ、百人前の仕事をしたからとつて褒美(ほうび)の一つも出やうでは無し朝から晩まで一寸法師の言(いは)れつづけで、それだからと言つて一生立つてもこの背(せい)が延びやうかい、待てば甘露(かんろ)といふけれど己れなんぞは一日一日嫌やな事ばかり降つて来やがる、一昨日半次の奴と大喧嘩をやつて、お京さんばかりは人の妾に出るやうな腸(はらわた)の腐つたのでは無いと威張つたに、五日とたたずに兜(かぶと)をぬがなければ成らないのであらう、そんな嘘つ吐(つ)きの、ごまかしの、欲の深いお前さんを姉(ねえ)さん同様に思つてゐたが口惜しい、もうお京さんお前には逢はないよ、どうしてもお前には逢はないよ、長々御世話さま此処からお礼を申ます、人をつけ、もう誰れの事も当てにする物か、左様なら、と言つて立あがり沓(くつ)ぬぎの草履下駄足に引(ひき)かくるを、あれ吉ちやんそれはお前勘違ひだ、何も私が此処を離れるとてお前を見捨てる事はしない、私は本当(ほんと)に兄弟とばかり思ふのだものそんな愛想(あいそ)づかしは酷(ひど)からう、と後から羽がひじめに抱き止めて、気の早い子だねとお京の諭(さと)せば、そんならお妾に行くを廃(や)めにしなさるかと振かへられて、誰れも願ふて行く処では無いけれど、私はどうしてもかうと決心してゐるのだからそれは折角だけれど聞かれないよと言ふに、吉は涕(なみだ)の目に見つめて、お京さん後生だから此肩(ここ)の手を放しておくんなさい...
樋口一葉 「わかれ道」
...余の異様に熱心な問ひをごまかした...
牧野信一 「余話」
...勇蔵たちのごまかしだらけの夫婦の生きかたも...
「海流」
...何とかちょいと鼻を鳴らすとその場はごまかして...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...苦しいごまかしを云い...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...「夫婦の仲でごまかしあいか」昌平はごろっと横になった...
山本周五郎 「七日七夜」
...これをごまかしてはいけない...
山本周五郎 「日本婦道記」
...運上をごまかしたなんて根も葉もねえことを白状させたで...
山本周五郎 「風流太平記」
...」とごまかした...
横光利一 「悲しめる顔」
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