...一年じゅうこれと言ってする仕事もなく...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...そして凡そ二時間余り別にこれと言ってなやみを打ち明けるでもなく禅師の法話をお聴きしているうちに...
上村松園 「芸術三昧即信仰」
...塾がちがったものですから、これと言って、まとまったお話もうかがった事もありませんでしたし、ゆっくりおめにかかるというような機会もありませんでしたが、その頃、お若い内から春挙さんは、すっくりした、いかにも書生肌の大変話ずきの人でした...
上村松園 「古い記憶を辿って」
...これと言って変化の無い単調な過去しか持っていないに反して...
海野十三 「白蛇の死」
...何これと言って考えることもない...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「富籤」
...これと言って使い途(みち)のわからぬようなことに使って...
近松秋江 「狂乱」
...これと言って特にさすもののないために一見単調なように見えるが...
寺田寅彦 「写生紀行」
...自分の気持ちにしっくりはまるようなものはこれと言って頭にとどまっていない...
寺田寅彦 「写生紀行」
...ここへ来てからお庄はまだこれと言って...
徳田秋声 「足迹」
...別にこれと言って希望もなく...
徳田秋声 「縮図」
...「別にこれと言って...
徳田秋声 「爛」
...これと言って取留まりがなく遣ってしまいましたよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...これと言って疑わしい点もありません...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...これと言って勉強をするでもなしに...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...さて今日これと言って取りたてて自慢できるような結果は...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...これと言って特別な要求をもたないように努めている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...これと言って変った品も目にとまりません...
吉川英治 「江戸三国志」
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