...またかとこぼすけれども...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...何だって涙なぞこぼすのだ...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...両の掌(て)にすくひてこぼす蝌蚪(かと)の水昭和三年四月 七宝会...
高浜虚子 「五百句」
...焼酎一本で涙をこぼす!この宿はよい...
種田山頭火 「行乞記」
...愚痴と泣言とをこぼすために(それを聞く私は辛いかな)...
種田山頭火 「其中日記」
...不平一つこぼすでもなく歩きまわった...
知里真志保 「生きているコタンの銅像」
...それをこぼすまいとして...
壺井栄 「二十四の瞳」
...ちくちく愚痴をこぼすので...
徳田秋声 「仮装人物」
...などと愚痴をこぼす者は逆賊であるかも知れぬ...
戸坂潤 「社会時評」
...涙をはらはらとこぼす...
豊島与志雄 「白木蓮」
...髪多く余る光を椽にこぼすこなたの影に...
夏目漱石 「虞美人草」
...あの肥つちよの飯炊(めしたき)がまた恐ろしい力で」「こぼすなよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大(だい)とこの糞ひりおはす枯野かないばりせし蒲団干したり須磨の里糞一つ鼠のこぼす衾(ふすま)かな杜若(かきつばた)べたりと鳶(とび)のたれてける蕪村はこれら糞尿の如き材料を取ると同時にまた上流社会のやさしく美しき様をも巧に詠み出でたり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...歐洲一汎に鹽をこぼすを凶兆とし...
南方熊楠 「鹽に關する迷信」
...ほかにこぼすのはいやな位...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...家の内儀(かみ)さんが漏(こぼす)まいことか...
村井弦斎 「食道楽」
...躯ばかりのぬけがらを貰ってありがた涙をこぼすほど...
山本周五郎 「落ち梅記」
...ぽろぽろと豆をこぼすようにこぼした...
山本周五郎 「長屋天一坊」
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