...板昆布(いたこぶ)を折ったような...
泉鏡花 「海異記」
...こぶなんかにびた一文だって「喰われ」ようとする馬鹿はないのだ...
犬田卯 「瘤」
...帆村が疲れ切った身体を自ら鼓舞(こぶ)して...
海野十三 「蠅男」
...現代のユーモアを持っている人はこの「こぶ」は医師が解決しなければならない厄介な(「こぶ」のような)問題であろうと言っている...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...世界のサロンにも嘗(か)つて存しなかった頗(すこぶ)る気のきいたものだと得意がっていたのでした...
太宰治 「人間失格」
...うれしいなあと子供のやうによろこぶ...
種田山頭火 「其中日記」
...同郷の学生たち一同とともに同郷の力士国見山のためにひそかに力こぶを入れて見物したものである...
寺田寅彦 「相撲」
...人に泣(な)いて貰(もら)ふ事を喜(よろ)こぶ人(ひと)であつた...
夏目漱石 「それから」
...当人に云わせるとすこぶるありがたいものさ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...握りこぶしのなかに...
林芙美子 「河沙魚」
...その智恵すこぶる敏捷(びんしょう)にして...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...当時五十二歳の猪之さんは貸し金の取り立てで相模屋へ足をはこぶうちお初をみかけて...
矢田津世子 「神楽坂」
...筋肉の瘤(こぶ)立つのが見えた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...説明は頗(すこぶ)る簡単である...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...正成正季のいる会下山の一つの瘤(こぶ)から中腹の山肌へわたってまっ黒に集まった...
吉川英治 「私本太平記」
...采配(さいはい)を持っている右手も、左手のこぶしも、膝において、ひらき股(また)に、床几へ腰うちかけた姿勢は、余りに前かがみで、何となく、威風にさわるように思われる...
吉川英治 「新書太閤記」
...いったい何がよろこぶべきことか悲しむべきことかさえなかなか分かり難い...
吉川英治 「随筆 新平家」
...兄哥の下に乾児(こぶん)があり...
吉川英治 「宮本武蔵」
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