...しかもこの際最も注意を要することは...
海野十三 「東京要塞」
...この際さらりと捨てた方がいい...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...新聞の報ずるところによると幸いに当局でもこの点に注意してこの際各種建築被害の比較的研究を徹底的に遂行することになったらしいから...
寺田寅彦 「天災と国防」
...この際主として社会教育を考えるべきであるが...
戸坂潤 「辞典」
...この際、だから、人民戦線という思想だけでも、文化運動にとっては人民戦線的に多少のプラスを齎すことを忘れてはならぬ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...田島さんにもほかに幾つも縁談があるが、こちら様との話がはっきりしないうちは、先方へ返事のしようがないし、こちら様もたぶん同じことだろうし、この際、はっきりした御返事が承りたいと、そう仰言ったそうですの...
豊島与志雄 「自由人」
...人間並みの人に言い寄ろうには、ただ人間並みの戸籍を示してかからぬことには、この際、自分というものの、見かけほどには危険性を帯びている者でないということの証明にはならないと考えたのでしょう……白雲も、あれで郷(ごう)に入(い)ることに慣れているから、その辺は甚(はなは)だ鈍感ではなく、ぶっきらぼうに、お世辞ともつかず、自己釈明ともつかず言いました、「測量は、どこからどこまでなさるのですか、地上を測って行くという仕事には、無限の面白味がありましょうね……拙者は足利の田山白雲という田舎絵師ですが」と、彼は大抵の場合にするように、あけすけに自分の名を名乗ってしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...七兵衛は歩きながら、こういう疑問をわれと自問自答してみましたが、七兵衛の地理学上の素養が、この際、それと明答を与えてくれませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...どこまで彼等に全幅の信用を置いていいか悪いかわからないが、この際は、事の思案よりは、急速の実行を可なりとする...
中里介山 「大菩薩峠」
...この両者がこの際図(はか)らずも合して一となったのは...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...阿曽の薄弱な体力を、この際、ぞんぶんに思い知らせてやろうというふうに、先になってずんずん歩いて行くのは憎かった...
久生十蘭 「白雪姫」
...この際や読書訳文の法...
福沢諭吉 「慶応義塾の記」
...共謀者が誰かはこの際関係ありません...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...この際お互いにどうでもいいとしようじゃねえか」「そりゃどうでもいいようなものの...
吉川英治 「江戸三国志」
...この際の御苦境と難問題の解決に...
吉川英治 「大岡越前」
...この際、どうか君側の奸を掃(はら)い、ご粛正を上よりも示して、人民たちに暗天の憂えなからしめ、業に安んじ、ご徳政を謳歌するように、ご賢慮仰ぎたくぞんじまする」「張郎中...
吉川英治 「三国志」
...……いわばこの際は彼みずから呉境へ首を埋める墳(つか)を探しにきたようなものだ...
吉川英治 「三国志」
...「悪いというのは、何よりも、この際、無謀な兵をあげてしまうことだ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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