...「この野郎」とか...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...」と、そこ/\に遁げるやうにして行くと、「待てこの野郎...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...穴のなかからその男を引っ張りあげねばならぬ仕儀となって、「この野郎、世話を焼かせやがる」「このまま土をかぶせちまうか」生き埋めという手もあると言い出したのは、首なし死体のある穴へ降りて行くのはさすがに気味が悪く、兵隊も尻ごみをしたからだ...
高見順 「いやな感じ」
...「この野郎」と云って...
田中貢太郎 「屋根の上の黒猫」
...「この野郎」馬鹿と見た馬方が意外の腕立て...
中里介山 「大菩薩峠」
...「この野郎」いきなりに竜之助に武者振りついて来たのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...「この野郎」つづいて飛びかかる裸虫...
中里介山 「大菩薩峠」
...「この野郎、よくよく食意地(くいいじ)が張っていやがる」七兵衛は、こう言って苦笑(にがわら)いをしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「てんぼうの裸身(はだかみ)なんぞは、誰が見たって、あんまり見いいものじゃないよ」といって、お角は、若い衆に手伝わせて、この野郎に、襦袢(じゅばん)から着物を片腕に通してやり、帯を締めさせてやり、その醜体だけは、どうやら応急修理が出来てみると、がんりきの野郎が、「水、水を一ぺえ、振舞ってもらいてえんだが、水でいけなければ、梅干を一つ……」「食い意地の張ってる野郎だよ」といって、お角がムキになって、がんりきの横面(よこっつら)を一つ、ピシャリとなぐりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...婆さんにこ/\しながら振り返つて「この野郎なに貰つて來たハハハ……といひ乍ら自分を見て笑ひつゝ豆の椀をうけとつて孫の手を引いて行つて仕舞つた...
長塚節 「栗毛虫」
...「まア、お前さん、そんな約束をなすって」お静は見兼ねて声を掛けましたが、「放っておけ、この野郎、一度うんと取っ締(ち)めなきゃア癖になる」平次は一向聞き入れそうもありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――もっともこの野郎は酔が廻ると噛み付くかも知れないよ」平次は後から登って来るガラッ八の鼻のあたりを指さすのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「この野郎だツ」わめく八五郎...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...矢つ張りこの野郎ですよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「この野郎、なにをしやがる」警官が起きあがって、そこから射ちかえした...
久生十蘭 「母子像」
...「何でもこの野郎を打殺(うちころ)して仕舞(しま)え...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...あんた?花岡 ごめんだ! この野郎...
三好十郎 「胎内」
...「――物乞(ものご)いじゃないか、てめえは、ふざけた奴だ、顔を貸せの、喜平だのと」「すまなかった、実は……」「なにが実はだ、この野郎、少し抜作(ぬけさく)とみえるわえ、さあさあ向う河岸へ渡んな、向う河岸へ」きたない物でも退(の)けるように、六尺棒の先で小突くと、そいつをつかんで、唐突に、「おいッ、お、おれは、森啓之助だよ……」と顔を寄せた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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