...」三僕はこの先を話す前にちよつと河童と云ふものを説明して置かなければなりません...
芥川龍之介 「河童」
...例の「危険! この先に崖がある!」の立札が立っている坂道横町へ曲ったとたんのことであった...
海野十三 「火星兵団」
...この先生の死んだのは大体昨夜の十一時から十二時の間だね...
海野十三 「地獄の使者」
...この先誰一人として信用は置けんことになる!』ってね...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...いったい、この先生は、こんなところへ出て来なくってもいい先生であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...「先(ま)ず考えよう、いろいろの罪を作って、百年間眠った黄金だ、百年間の眠(ねむり)から醒めるだけでも、もう四人の生命を犠牲にして居る、この先、幾人の血を吸う事か――」空善は冷たい岩に腰をおろして、こんな事を言うのです...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...これも皆この先生(私をさして)におそわったんだぜ...
浜尾四郎 「途上の犯人」
...こちらはドンドン舟で行くのに、やつらはテクテク陸を歩いて来るとなれァ、この先、今にも追いつかれるとビクビクすることァいらなくなるわけだ...
久生十蘭 「地底獣国」
...この先を読むで行けば一層興味が湧くだらうと...
牧野信一 「喜びと悲しみの熱涙」
...それで二年ばかりそこの先生をしていた...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...この先生は町でバイブル・クラスを開いていたが...
三木清 「読書遍歴」
...この先に移転仕り候」と大きな看板が出ていた...
宮本百合子 「九月の或る日」
...この先きのちっちゃな沢を登るんだって方角がわからなくなって...
三好十郎 「樹氷」
...他人の家の飯をちっと喰べてみるといいんだ」「…………」「この先も...
吉川英治 「新書太閤記」
...「案のじょう、この先に、木挽(こびき)どもの寝小屋があったので、申しうけて来た」彼は、光春の手へ、鍬を渡しながら云った...
吉川英治 「新書太閤記」
...いかにせば、よくこの先を、人生を、よく往(ゆ)いて生き得るか――共々に考えよう、念じよう...
吉川英治 「親鸞」
...重ねておる奴じゃの」「は……この先の河和田(かわだ)に住んでおる若い職人で...
吉川英治 「親鸞」
...こよいは仕方がないが、この先々では、もう道ぐさはしておられぬぞ」兵庫は、自分を誡(いまし)めていう...
吉川英治 「宮本武蔵」
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