...どこのお方か、何というお名前か、わたしは少しも存じませんが、何でも四十五六のデップリと肥(ふと)った背の高い男の方でございますよ...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...「先生、あの、このお方が、先生にお目にかかりたいといって、わざわざ遠方(えんぽう)からおいでなさいましたのですが...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...喇嘛僧はどこのお方でもよい...
薄田泣菫 「茶話」
...さらに将軍家への直訴をもこのお方の御時にはじめてお許しに相成り...
太宰治 「右大臣実朝」
...このお方に就いては私などは...
太宰治 「右大臣実朝」
...ああもうこのお方のお傍から死んでも離れまいと思いました...
太宰治 「鉄面皮」
...このお方は美濃の国の住人日比野下野守(ひゞのしもつけのかみ)のおんむすめで...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...このお方に素直にお話ししましょう...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...そしてさらに『このお方(ムッシュ)が』――と婦人はどうしたわけかヴェリチャーニノフのことをそう呼んでいた――『私どもの護りの神とも...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...このお方のお宿をひとつ」後ろを顧みて老人は...
中里介山 「大菩薩峠」
...「あの、このお方は、あなた様の御親類筋のお方でございますか、それとも御兄妹(ごきょうだい)でいらっしゃいますか」「親類でもないし、兄妹でもない、赤の他人じゃ」「赤の他人でさえ、こんなにまでなさるのに……」お玉は、冷やかな竜之助の態度を見て、反抗的に単純な感情がたかぶって来るのでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...どこのお方やら一向にわかりませんので……幸いに呼吸(いき)は吹き返しましてただいま...
中里介山 「大菩薩峠」
...このお方をお泊め申して上げましょう」と...
中里介山 「大菩薩峠」
...与八としては、この竜王村への用事を兼ねてなのですから、ではこれでお暇(いとま)をしましょう――ということになって、お婆さんは与八に厚く礼を言った上に、「与八さん、ちょっとこちらへいらっしゃい、このお方は、徳大寺様と申し上げて、畏(かしこ)くも天子様の御親類に当る身分の高いお方でいらっしゃいます――お目通りをしてお置きなさい」と言って、徳大寺様へ向いては、「何と珍しい心がけの、人相のよい若衆(わかいしゅ)ではございませんか、鳩ヶ谷の三志様にそっくりだと、わたしは見ているのでございます、お見知り置き下さいませよ」と言って、二人を引合わせました...
中里介山 「大菩薩峠」
...いったいこのお方を...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...私がこのお方に貸すとするから...
吉川英治 「剣難女難」
...驚いた顔つきで、口々に、「このお方は、お陣屋のお側妾(そばめ)さまだが――お上人様――どうしたわけでございます」「わしも知らぬが……ふとすれちごうた折に、ぞっと、わしの心に寒いものが触れた...
吉川英治 「親鸞」
...いったいこの女(ひと)はどこのお方?」「ハイ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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