...戦時に必要な心得をことごとく捨てて顧みぬようなことでもあっては...
丘浅次郎 「戦争と平和」
...またそれを踏みしめ踏みしめ登って行く足取りもことごとく本格的らしいので...
寺田寅彦 「小浅間」
...やはり同様にことごとく電磁的なものでないかという疑いを起さざるを得ない...
寺田寅彦 「物質とエネルギー」
...ことごとくその領地において製作せしめ...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...二人を隔ててるものをことごとく彼に感じさせてしまった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...壮士連はことごとく子路の明快闊達に推服した...
中島敦 「弟子」
...遮虜(しゃりょしょう)を出るとき各人が百本ずつ携えた五十万本の矢がことごとく射尽くされたのである...
中島敦 「李陵」
...欄に盛る擬宝珠(ぎぼしゅ)はことごとく夜を照らす白光の珠(たま)である...
夏目漱石 「虞美人草」
...ことごとく忌々(いまいま)しさの種になった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...あの山を上るところなどは一起一仆(いっきいっぷ)ことごとく誇張と虚偽である...
夏目漱石 「明治座の所感を虚子君に問れて」
...ことごとく寒い風に吹かれて...
夏目漱石 「門」
...十貫目を十貫目ことごとく出したと見(み)なしても...
新渡戸稲造 「自警録」
...同じ位の丈(たけ)の並木はことごとく枯枝を空白に差し伸べ冷え冷えと続いているのだ...
原民喜 「死のなかの風景」
...欲しいと思う物ことごとく得べしと語る...
南方熊楠 「十二支考」
...残りはことごとく活動に捧げなければならないのでございます...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...いまだ十分にその感化を実現せぬ前に有力なる外来の信仰に面してことごとくその光を失い...
柳田国男 「山の人生」
...およそ女義の売物なら「御殿」「酒屋」「十種香」「太十」などことごとくこの人の薬籠中のもので...
山本笑月 「明治世相百話」
...しかも、それら数々の考えは、ことごとく、どうすればお杉を、まだこれ以上虐(いじ)め続けていかれるであろうかと考えていたのと、どこ一つ違ったところはないのであった...
横光利一 「上海」
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