...親子夫婦兄弟などというのはことごとく互いに苦しめ合うことを唯一の楽しみにして暮らしているのです...
芥川龍之介 「河童」
...世の中のすべての物がことごとく自分を迫害するもののように思われる...
伊藤左千夫 「去年」
...ことごとく日本人でしめられていたのである...
海野十三 「大宇宙遠征隊」
...彼はことごとく自分の伊達好みな服装に満足なのである...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...地上における人間性の歴史的矛盾をことごとく包含した...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...あらゆる不運の道をことごとく通ってきた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ことごとく知っていた...
直木三十五 「死までを語る」
...戦勝国たるはずの斉の君臣一同ことごとく顫(ふる)え上ったとある...
中島敦 「弟子」
...またことごとく同じ色であった...
夏目漱石 「永日小品」
...退(の)かぬものはことごとく敷(し)き殺(ころ)すぞと云わぬばかりに人込の中を全速力で駆(か)り立てながら...
夏目漱石 「永日小品」
...――ことごとく鮮やかな想像の鏡に映った...
夏目漱石 「思い出す事など」
...ことごとくこの議論には敬服(けいふく)はせられぬけれども...
新渡戸稲造 「自警録」
...かつまたことごとく説明することは僕の意に背(そむ)く...
新渡戸稲造 「自警録」
...『愚禿悲歎述懐』には「五濁増のしるしには この世の道俗ことごとく 外儀は仏教のすがたにて 内心外道を帰敬せり」といい...
三木清 「親鸞」
...ことごとく私たちの肉体を通じて生かされてのみ初めて現実として存在するという事実は何とつきない味いのあることだろう...
宮本百合子 「女の歴史」
...並びいる呉の将士もことごとく貰い泣きして...
吉川英治 「三国志」
...魏の先手はことごとく老巧な名将を揃えておる...
吉川英治 「三国志」
...汝をおいてほかにこれを授けたいと思う者はいない」手ずから自著の書巻を積んでことごとく姜維に授け...
吉川英治 「三国志」
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