...玩具(おもちゃ)よりもわずかに大きい馬車が小刻みにことこと歩いているのは幼目にもハイカラに見えたものである...
芥川龍之介 「追憶」
...黒い陶器の瓶をことことと振った...
梅崎春生 「狂い凧」
...螺旋階段をことことと...
海野十三 「宇宙女囚第一号」
...大尉は扉をことこととノックしました...
海野十三 「怪塔王」
...ことことと音を立て...
海野十三 「火星兵団」
...大金(おおがね)もうけの種(たね)お釜は、ことこと、ことこと、と左右にからだをゆすぶっている...
海野十三 「金属人間」
...君に一ことことわっておかねばならぬことがあった...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...ただ庖厨の流槽(ながし)の方で鼠であろうことことと云う音が聞えるばかりであった...
田中貢太郎 「狐の手帳」
...老鬼はことことと後から随(つ)いてきた...
田中貢太郎 「太虚司法伝」
...ことこと音させていたが「お支度が出来まして...
直木三十五 「南国太平記」
...骨をことことと敲(たた)いてくれた...
夏目漱石 「永日小品」
...さっきから台所でことことやっていた二十(はたち)ばかりの眼(め)の大きな女がきまり悪(わる)そうに夕食を運(はこ)んで来た...
宮沢賢治 「泉ある家」
...中でことこと言わせているのを聞きながら...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...女中が台所でことこと音をさせているのを聞きながら...
森鴎外 「雁」
...只方々の戸がことこと震うように鳴るばかりで...
森鴎外 「心中」
...ことことと庖丁(ほうちょう)の音が聞え...
山本周五郎 「七日七夜」
...そして、そのたび、二人でここへ、苗の育ちを、見に参ることにしましょう」鉄雲は、びッこを曳いて、月の色か霧の色かとまごう辻彼方(つじあなた)へ、ことことと、何の感傷も持たない杖の音をさせて立ち去った...
吉川英治 「大岡越前」
...とことこと岸をあとへ帰って行く...
吉川英治 「三国志」
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