...こそこそと葉子について私語(ささや)きかわすらしかった...
有島武郎 「或る女」
...行違ふ時はこそこそと擦抜(すりぬ)けるやうにして行つた...
石川啄木 「道」
...こそこそとほかでぬすみ喰いをしゃアがる!」子供はふたりとも吹き出した...
岩野泡鳴 「耽溺」
...人通りの少ない往来をこそこそと通り...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...こそこそと人目をしのぶようなやりかたで樹から樹へ飛びかすめながらだんだん近づいてきてリスがこぼしておいた粒を拾いあげる...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...こそこそと林の中に這入つて行く...
太宰治 「お伽草紙」
...下のものが何かこそこそと話しては...
田山花袋 「道綱の母」
...こそこそとひょろひょろと自分の下宿へ帰ってゆくのが見られるという噂が伝わった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...彼等はその障壁の背後へこそこそと逃げ...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...こそこそと家にはいって来て...
豊島与志雄 「絶縁体」
...その白色の大きな病院にこそこそと這入っていった...
豊田三郎 「リラの手紙」
...こそこそと逃げるように引込んでしまいます...
中里介山 「大菩薩峠」
...図太いのでこそこそとしか音をたてない...
中原中也 「山羊の歌」
...怨(うら)むようにこそこそと他人の悪口をいうさまは...
新渡戸稲造 「自警録」
...こそこそと入って来ました...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...母親は急にこそこそと片づけごとをはじめたり...
牧野信一 「裸虫抄」
...子を知るは親にしかずなどというのは嘘(うそ)ですよ」などこそこそと言っていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...白足袋がこそこそと横町に曲るのを見送って...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
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