...第二 べた雪の連想からわたしが迷いの闇のなかから火のごとき信念にみちた言葉でその淪落の魂をひきだしたときお前は深い悩みにみちて双の手を揉みしだきつつ身を囲んでいる悪趣を呪ったそうして追憶の鞭をふるって忘れやすき良心を罰しつつお前は過ぎこし方の身の上を残らずわたしに語ってくれたと...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...過ぎこし方を顧みて何かはせむ...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...ふと聞く雨や風の声宵闇の窓にたゝずみて屋根の海原並木の雲町の火影(ほかげ)をのぞみ見て過ぎこし方の思出ひそかに耽る物おもひ...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...二人はこし方(かた)とゆく末を話し合って...
中里介山 「大菩薩峠」
...ぼんやりとこし方(かた)をながめながら立っていました...
中里介山 「大菩薩峠」
...こし方(かた)や行く末のことを考えて...
中里介山 「大菩薩峠」
...「弁信さん、お前がその気なら、あたいだっていやとは言わないよ」この二人は、木茅(きかや)に心を置く落人(おちうど)のつもりでいるのか、それとも道草を食う仔馬(こうま)の了見でいるのか、居候から居候へと転々して行く道でありながら、こし方も、行く末も、御夢中であるところが子供といえば子供です...
中里介山 「大菩薩峠」
...悵然(ちょうぜん)として行く末とこし方をながめて立ち...
中里介山 「大菩薩峠」
...今も、その官能的な鄙歌(ひなうた)を叱りつけてから、ゾッとその寒さを心頭から感じて、あわてて枕もとの風呂敷を取って、その頭からかぶせてしまい、そうして道庵並みに軽い旅情というようなものに動かされて、こし方(かた)、行く末というようなものが上(うわ)っ面(つら)へのぼって来たところであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...こし方(かた)は大東の岬...
中里介山 「大菩薩峠」
...こし方の飛騨の高山の方をそっと見返りましたが...
中里介山 「大菩薩峠」
......
長谷川時雨 「柳原※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子(白蓮)」
...早くいうと炭火のおこし方のけいこがあるのは知っているでしょう...
羽仁もと子 「女中訓」
...炭のおこし方くらい誰れだって知っているなどと...
羽仁もと子 「女中訓」
...火の起こし方を知っていますか」鮎子さんが...
久生十蘭 「キャラコさん」
...こし方や我れおのづから額(ぬか)くだる謂はばこの恋巨人の姿之は作者自身の場合を述べたものであるから...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...富裕とはいえないまでも不自由ということを知らなかったこし方に比べれば...
山本周五郎 「日本婦道記」
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與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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