例文・使い方一覧でみる「こころ意気」の意味


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...「今日まで本気かどうかためして来た、と云うんだ」清一は酒を呷(あお)った、「――浮気ならいやだけれど、ちゃんと夫婦になってくれるなら、……米八、おまさばばあもここのところを聞いてくれ、いいか、夫婦になってくれるのなら、千両箱を二つ持ってゆこう、って云うんだ、千両箱二つだぜ」「なんですかそれっぱっち」と米八が云った、「仮にも香屋の若旦那が、二千両ばかりのはした金に声を高くすることはないでしょう」「あたりきよ、金なんぞじゃあねえ、こころ意気だ、二千両は鼻紙代にもならねえが、それを持って来ようというこころ意気がうれしいじゃねえか、そうだろうばばあ」「それはようござんすけれど」とおまさが訝(いぶか)しそうに云った、「いったいそれはどういうところのお嬢さんなんですか」「それがてんでわからなかった」と云って、彼は左手の盃を口へ持ってゆきながら、右手をいそいで振った、「いや、いまはわかっている、一昨日へんな間違いがあって、そのとき実家のことも住居のこともわかった、歴(れっき)とした大商人の娘で、本郷のほうに小間使と二人別居しているんだ」「これはまた」と米八が云った、「よもや勘当なんてえことじゃあないでしょうな」「よけいな頭痛を病むな、――とにかく、一昨日の晩おれは、本郷のその家へいっしょにいったんだ」そのとき女中が、結び文を持って、いそぎ足にはいって来、「いまお使いの人がこれを」と云いながら、清一に渡した...   「今日まで本気かどうかためして来た、と云うんだ」清一は酒を呷った、「――浮気ならいやだけれど、ちゃんと夫婦になってくれるなら、……米八、おまさばばあもここのところを聞いてくれ、いいか、夫婦になってくれるのなら、千両箱を二つ持ってゆこう、って云うんだ、千両箱二つだぜ」「なんですかそれっぱっち」と米八が云った、「仮にも香屋の若旦那が、二千両ばかりのはした金に声を高くすることはないでしょう」「あたりきよ、金なんぞじゃあねえ、こころ意気だ、二千両は鼻紙代にもならねえが、それを持って来ようというこころ意気がうれしいじゃねえか、そうだろうばばあ」「それはようござんすけれど」とおまさが訝しそうに云った、「いったいそれはどういうところのお嬢さんなんですか」「それがてんでわからなかった」と云って、彼は左手の盃を口へ持ってゆきながら、右手をいそいで振った、「いや、いまはわかっている、一昨日へんな間違いがあって、そのとき実家のことも住居のこともわかった、歴とした大商人の娘で、本郷のほうに小間使と二人別居しているんだ」「これはまた」と米八が云った、「よもや勘当なんてえことじゃあないでしょうな」「よけいな頭痛を病むな、――とにかく、一昨日の晩おれは、本郷のその家へいっしょにいったんだ」そのとき女中が、結び文を持って、いそぎ足にはいって来、「いまお使いの人がこれを」と云いながら、清一に渡したの読み方
山本周五郎 「五瓣の椿」

「こころ意気」の書き方・書き順

いろんなフォントで「こころ意気」


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