...熊笹の戦(そよ)ぎや苔(こけ)の(におい)が...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...なんでもないことにでも大聲たてて笑ひこける...
太宰治 「道化の華」
...そこには苔(こけ)の生えた清水の溜(たま)っている岩穴(いわあな)があった...
田中貢太郎 「神仙河野久」
...』『うそ、こけ...
田山花袋 「歸國」
...」お照は痩せこけた手で...
徳田秋声 「足迹」
...苔(こけ)の上の足音のように伝わっていった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...時としては青黒い苔桃(こけもも)のような甘っぽい空疎な味であるが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...手入を怠らぬ庭の樹木と共に飛石(とびいし)の上に置いた盆栽の植木は涼しい夏の夜の露をばいかにも心地よげに吸っているらしく穏(おだや)かなその影をば滑らかな苔(こけ)と土の上に横(よこた)えていた...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...樹々(きぎ)の梢から漏れ落る日の光が厚い苔(こけ)の上にきらきらと揺れ動くにつれて...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...艪(ろ)にもたれたまゝすつかり睡りこけて居たのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...よく苔(こけ)の付いた御影石の洒落れた手洗を指さすのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...深い眠りに眠りこけていた...
葉山嘉樹 「乳色の靄」
...お夜食もしていないの……こけしちゃんにそう言って...
久生十蘭 「あなたも私も」
...どんな奴だった?」「青白いやせこけた奴で...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...こけた頬と厚くせり出した唇――大儀そうに渋々と...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「予言者の家で」
...あのこけら葺に立て籠(こも)つてゐる敵はさうは行かない...
森鴎外 「金貨」
...ひとをこけにしやあがるぜ」「嘘だと思うなら医者にきいてみてくれ...
山本周五郎 「さぶ」
...苔清水(こけしみず)に濡れた石段を上って...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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