...こけおどしにビールの空きびんなどをずらり並べた菊屋洋行という雑貨店を始めたのである...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...鱗(こけ)のある鉛色(なまりいろ)の生物(いきもの)のやうに...
マルセル・シュヲブ Marcel Schwob 上田敏訳 「癩病やみの話」
...トヾの結局(つまり)が博物館(はくぶつくわん)に乾物(ひもの)の標本(へうほん)を残(のこ)すか左(さ)なくば路頭(ろとう)の犬(いぬ)の腹(はら)を肥(こや)すが世(よ)に学者(がくしや)としての功名(こうみやう)手柄(てがら)なりと愚痴(ぐち)を覆(こぼ)す似而非(えせ)ナツシユは勿論(もちろん)白痴(こけ)のドン詰(づま)りなれど...
三文字屋金平 「為文学者経」
...一人はゲッソリ頬(ほお)のこけた学生風であった...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...がくんがくんがくんと三度ずっこけ...
梅崎春生 「狂い凧」
...狭い道に苔(こけ)の生えた板塀が続いていて...
江戸川乱歩 「悪霊」
...南天をくぐる時からしてこけつまろびつしている...
中里介山 「大菩薩峠」
...ちらつく苔(こけ)の定かならぬようである...
夏目漱石 「虞美人草」
...江戸の色男の沽券(こけん)に拘わりますよ」「そんな間抜けなものになり度かァ無いよ」「間抜けでもドチでも...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...散々御機嫌を取ったお前じゃないか」「嘘をこけ」「こう素破(すっぱ)抜かれたら...
野村胡堂 「天保の飛行術」
...男傾城(をとこけいせい)ならぬ身(み)の空(そら)涙(なみだ)こぼして何(なに)に成(な)るべきや...
一葉女史 「ゆく雲」
...白痴(こけ)が物乞するようなしまりのない声で呼んでいるのが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...やはり、ほんとうの関心は掏摸に向けられていたのだが、その掏摸が、こけつまろびつ、がむしゃらに逃れて行く姿を見ていて、ほっと胸にひびいて来たものがあった...
火野葦平 「花と龍」
...一面に苔(こけ)が蒸(む)して...
柳川春葉 「怪物屋敷」
...元はやはり髯籠系統(ひげこけいとう)のものであったかと推察する...
柳田国男 「年中行事覚書」
...……その近眼らしい痩せこけた顔付きの下から...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...わたくし達は叔父が睡りこけたのを見澄まして表へ出ますと...
夢野久作 「暗黒公使」
...瘠(やせ)こけた...
夢野久作 「継子」
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