...無駄をしないという気持はけちな気持とは全然ちがうと思います...
上村松園 「わが母を語る」
...佐々というけちな男だ」「えっ」「おれが腕利だということは...
海野十三 「火星兵団」
...ちぇ、けちな野郎だ、十一文がそんなに惜しいかよ、血相かえて騒いでいやがる、貧乏役人は、これだからいやだ、銭がそんなに欲しかったら、こっちからくれてやらあ、なんだい、たかが十文か十一文、とむらむら、れいの気前のよいところを見せびらかしたくなって来て、自分の腹掛けから三文ばかりつかみ出し、「あった!」と叫んだ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...私は、いまは、冷いけちな男だ...
太宰治 「春の盗賊」
...用捨もなくけちな暴君と呼んで...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...けちな賭博の集りなどもあるらしいとのこと...
豊島与志雄 「田園の幻」
...そんなけちな気持ちはないのよ...
林芙美子 「浮雲」
...それが貧乏人のけちな根性さね……...
林芙美子 「新版 放浪記」
...人にほどこしを澁つてゐるくせに、人からはふんだんに崇拜されようとする、けちな官吏や、軍人が、この戰爭を主材として、田舍へ入りこんで來れば來るほど、S町ははつきりと、妙な形式をつくりあげてしまつた...
林芙美子 「雪の町」
...けちな煙草商人にでも話しかける――勿論...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...召使い類のけちな泥棒はこんなことは出来ない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...けちな男だ! おれはあいつの面へ...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...そんなけちな三田公でも無し...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...丸善のけちな画集すこし買おうかしら...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私達にふさわしいけちなのが三十円もしたらあるだろうと思ったところ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...しかしこんな、けちな悪意では、ニイチェ主義の現代人にもなられまい...
森鴎外 「あそび」
...)こんなにけちな座敷の飾を誰がした...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...けちな追剥(おいはぎ)や空巣ねらいたあ違う...
吉川英治 「宮本武蔵」
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