...麦も青く芽ぐむに相違ない...
伊藤野枝 「転機」
...すぐむこうに一台の黒い自動車がとまっています...
江戸川乱歩 「仮面の恐怖王」
...あつい湯にはいる・水のうまさは芽ぐむものにもあたへて・食べるだけ食べてひとりの箸をおく花ざかり豆腐屋で豆腐がおいしい・どこかで頭のなかで鴉がなく(夢幻)此宿はよい...
種田山頭火 「行乞記」
...久しぶりに会う友だちは一目見ただけで涙ぐむ...
永井隆 「この子を残して」
...高見さんからとんご柿を頂けば井上君のくるくる目を思い出し、原田さんが鎮守祭のお餅をくだされば浜君を偲び、篭屋の小母さんがほおずきを霊前に供えてくだされば山下君の赤い鼻が目に浮かび、松下さんからお芋を貰えば大柳君や吉田君があの時畠に行かなければよかったのにと悔やまれ、藤本君や片岡君や小笹君が一緒に私たちとこうして食べているのなら、どんなにかうれしいだろうと、つい涙ぐむ...
永井隆 「長崎の鐘」
...其の側女日ごろ野辺の若艸つのぐむことをのみ明暮の楽みとなせし女子なりければ...
※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]上漁史 「土用干ノ記」
...(涙ぐむ)忠太郎 おやじはあッしが十二の時...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...おはま (涙ぐむ)お登世 どうしたの厭なおッかさんね...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...頭の中にはもう一片の空想も芽ぐむ余地がなかった...
平林初之輔 「犠牲者」
...人々はあわてて口をつぐむのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...かく専門的の攻撃に遇(あ)ひては余ら『康熙字典(こうきじてん)』位を標準とせし素人先生はその可否の判断すら為しかねて今は口をつぐむより外なきに至りたり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...涙ぐむようなことがなかった...
室生犀星 「童子」
...伊沢徳(めぐむ)さんは現に此家の平面図を蔵してゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...伊沢徳(めぐむ)さんの繕写する所の系図には...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...現に徳(めぐむ)さんの姉良子(よしこ)刀自は...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...皆現に徳(めぐむ)さんの家にある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...わたくしの顔を見ながらなんで涙ぐむのですか」「いいえ...
吉川英治 「三国志」
...「ようご無事で……」老母はすぐ涙ぐむ...
吉川英治 「三国志」
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