...ぐっと踞(しゃが)んで聞込(ききこ)む気で...
泉鏡花 「遺稿」
...またぐっと力を入れて杉田の手を握ったのであった...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...さっぱり収穫はないじゃないですか」「君はそう思うかね」老探偵は唇をぐっとへの字に曲げた...
海野十三 「断層顔」
...先がぐっとあがり...
海野十三 「地底戦車の怪人」
...引金にかかっている二本の指がぐっと手前へ縮んで……「どーン」あ...
海野十三 「不思議なる空間断層」
...ノロちゃんが井上君の手をぐっとひっぱって...
江戸川乱歩 「仮面の恐怖王」
...そこで私は舵輪をぐっと風上に操った...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...」山川正太郎は一人でぐっと飲みほして...
豊島与志雄 「乾杯」
...ぐっと寝込んで眼が覚(さ)めた時は弥生(やよい)の空が朗らかに晴れ渡って勝手口に主人夫婦が巡査と対談をしている時であった...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...……ぐっと一杯のんでみろ...
久生十蘭 「金狼」
...首をぐっと横へ曲げて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...これは存在することを許されぬのである――その二つに心臓をぐっとおさえつけられてしまった夫人は...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...我児をぐっと抱きしめ「お前...
三浦環 「お蝶夫人」
...底には底があることで――が、お言いわけは致しますまい――あれが、気に入らなんだと思召(おぼしめ)しなら、どうぞ、御歴々御一統にて、この雪之丞を御随意に――何分、朝の早い渡世をいたします身、あまり手間ひま取ってはおられませぬゆえ――」雪之丞は、助次郎の二の腕を、ぐっと、指をまわして、掴み緊めて置いて、突きはなす...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お三婆は、ぐっと、顔を突き出すようにして、「ねえ、法印さん、この婆さんを、忘れちゃあいけませんよ――なるほど、あの雲助たちが、かつぎ込んで来て、おッぱらわれたには、相違ないが、この宿の家の中での出来ごとなのだからね――それだけは、忘れずにおくんなさいよ」「何をいっておるのやら、わしには、よくわからぬが――」と、モゾリと、法印がいう...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...唇を閉じてぐっと横にひろげる...
山本周五郎 「季節のない街」
...お知らせにまいったしだいでございます」忠善はぐっと唇をひきむすび...
山本周五郎 「日本婦道記」
...それで燗をぐっと熱くして一杯二杯と飲み始めた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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