...……薫るのなんぞ何のその、酒の冷(ひや)の気を浴びて、正宗を、壜(びん)の口の切味(きれあじ)や、錵(にえ)も匂も金色(こんじき)に、梅を、朧(おぼろ)に湛(たた)えつつ、ぐいと飲み、ぐいと煽(あお)った――立続けた...
泉鏡花 「薄紅梅」
...首(くび)をぐいとしめあげられた...
ハーバート・ジョージ・ウエルズ 海野十三訳 「透明人間」
...ぐいと顎をしゃくって...
太宰治 「乞食学生」
...どうした加減かぐいとグーロフの癇(かん)に触って...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...ぐいと拍車を両の脇腹(わきばら)へ入れて...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...彼等(かれら)は各自(かくじ)に茶碗(ちやわん)へ注(つ)いでぐいと飮(の)んだ...
長塚節 「土」
...孤堂先生は胡麻塩(ごましお)交(まじ)りの髯(ひげ)をぐいと引いた」「御前が京都へ来たのは幾歳(いくつ)の時だったかな」「学校を廃(や)めてから...
夏目漱石 「虞美人草」
...成るべく帰(かへ)つて三千代さんに安慰を与へて遣(や)れ」「君はさう思ふか」と云ひさま平岡はぐいと飲んだ...
夏目漱石 「それから」
...ぐいと外套の袖を掴んだ...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...あなたもどうぞ」着物の裾(すそ)をぐいと引いて...
野村胡堂 「胡堂百話」
...ぐいと一息にやるつもりなのである...
久生十蘭 「キャラコさん」
...ぐいぐいと私の底に眠つてゐるやうな...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...ぐいと止めようとしました...
室生犀星 「ゆめの話」
...花びらごと酒をぐいと喉に流しこんだ...
山川方夫 「菊」
...重吉はぐいと顔をあげた...
山本周五郎 「ちゃん」
...バックはその体をぐいとおしとめられ...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...ぐいぐいと空屋敷のほうへひき摺って行った...
吉川英治 「銀河まつり」
...僧侶の襟元をぐいと掴みよせて...
吉川英治 「夏虫行燈」
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