...引(ひっ)くるまる裳(もすそ)危(あやう)く...
泉鏡花 「悪獣篇」
...彼は云つて木賃宿の裏手の狭い道を――そこから薄暗い部屋に親子夫婦たちがくるまるやうにして寝てゐるのが煤(すす)けた格子窓越しにのぞかれ...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...そして襤褸にくるまると焚火の方へ行ってしまった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「追放されて」
...ひとつ絹のプラトークにくるまる羽目になったことがある...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...凍えた者が温い毛布にくるまるように...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...お品(しな)は薄(うす)い垢(あか)じみた蒲團(ふとん)へくるまると...
長塚節 「土」
...お品(しな)が死(し)ぬまで被(き)て居(ゐ)た蒲團(ふとん)の中(なか)におつぎは與吉(よきち)を抱(だ)いてくるまるのであつた...
長塚節 「土」
...卯平(うへい)は幾(いく)ら飮(の)んでも自分(じぶん)の懷(ふところ)が痛(いた)まないのだからと思(おも)つて見(み)ても醫者(いしや)のいふ通(とほ)りどうもはき/\としないので晝間(ひるま)は成(な)るべく蒲團(ふとん)にくるまる樣(やう)にして居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...夜具を持って来てくるまるといいわ...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...夜具にくるまるから...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...自分はじつにふっくらと温かい外套にくるまると...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...なるべく深くマントにくるまるやうにしてゐたのだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...彼女は夢中で毛布にくるまると――厭々々!と笑つて喚きながら...
牧野信一 「痴日」
...夜は毛布にくるまるところを見届け...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
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