...それは云はばはやり切つた馬と同じ軛(くびき)を背負された老馬の経験する苦しみだつた...
芥川龍之介 「一塊の土」
...軛(くびき)にかかった輓牛(ひきうし)のような柔順な忍耐と覚悟とをもって...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...首斬(くびきり)を見たことがあるめえ」と阿Qは言った...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...偶興あしのゆびきりてとられしそのときはすでにひとのかたちをうしなへるあしのくびきりてとられしそのときはすでにつるのすがたとなりにけむあしのくびきりてとられしそのときゆわがみのすがたつるとなりかげをばひきてとびてゆくといふ類の詩をつくりだしてをり...
小穴隆一 「二つの繪」
...東に岩船郡(いはふねごほり)(古くは石(いは)に作る海による)蒲原(かんばら)郡(新潟(にひがた)の湊(みなと)此郡に属す)西に魚沼(うをぬま)郡(海に遠し)北に三嶋(みしま)郡(海による)刈羽(かりは)郡(海に近し)南に頸城(くびき)郡(海に近き処もあり)古志(こし)郡(海に遠し)以上七郡(ぐん)也...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...○さて此山をよみたる古哥に(万葉)「いや日子(ひこ)のおのれ神さび青雲(あをくも)のたなびく日すら小雨(こさめ)そぼふる(よみ人しらず)」又家持(やかもち)に「いや彦の神のふもとにけふしもかかのこやすらんかはのきぬきてつぬ(角)つきながら」▲長浜(ながはま)頸城郡(くびきごほり)に在(あ)り...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...そして彼はそれに扼(くびき)をかけられ何とかして前に進もうともがいているように見えるであろう...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...牛の軛(くびき)を解く頃に到れば...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...牛馬(ぎうば)を驅りてをちこちに軛(くびき)を轉じ進ましむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...軛(くびき)をかけてくれと宗教に求めていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...きょうはお爺さんがひとり参詣にきて越後の国中頸城(なかくびき)郡何村とかの者だと名のってから「あんたここにこうしておいでになってなにか行(ぎょう)でもなさるのですか...
中勘助 「島守」
...誰一人この辺鄙(へんぴ)な小石川の高台にもかつては一般の住民が踊の名人坂東美津江(ばんどうみつえ)のいた事を土地の誇となしまた寄席(よせ)で曲弾(きょくびき)をしたため家元から破門された三味線の名人常磐津金蔵(ときわずきんぞう)が同じく小石川の人であった事を尽きない語草(かたりぐさ)にしたような時代のあった事を知るものがあろう...
永井荷風 「伝通院」
...その生命が軛(くびき)の下(もと)にあることを自覚しなければならない...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...強力無双な運命の軛(くびき)のように...
火野葦平 「花と龍」
...力われは軛(くびき)となりて挽(ひ)かれ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...馘(くびき)らんか...
吉川英治 「上杉謙信」
...馘(くびき)った敵屍体の数は...
吉川英治 「三国志」
...車の軛(くびき)の下へからだを突っ込む...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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