...あるいは往来でくばるビラみたいな物を沢山集め...
石川欣一 「可愛い山」
...わしに呉れるんですかい」「よくばるな...
海野十三 「火薬船」
...だが、船長は曾呂利を一目見るより、これは只者(ただもの)でないと、にらんでしまったので、ゆだんなく彼のうえに、気をくばる...
海野十三 「爆薬の花籠」
...「よくばるから、そんするんだよ...
江戸川乱歩 「仮面の恐怖王」
...「それは何かと気をくばるばかりにでもくたぶれるでせう? もう少しの間だから辛抱してゐて下さいな...
鈴木三重吉 「桑の実」
...あたりに気をくばるような具合いであった...
太宰治 「パンドラの匣」
...もういちど奥のほうへするどい目をくばると...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...(一同に三枚ずつ紙の盤をくばる)トレープレフ (雑誌をめくりながら)自分の小説は読んでるくせに...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...盆暮れには家になるざぼんをひとつずつ知るべへくばるのだ といったが...
中勘助 「妹の死」
...或る者は下へつくばるようにして...
中里介山 「大菩薩峠」
...クリヒの愚かさとラーベンシュタイナーの怠惰とカミナーのいやらしいはいつくばるような卑屈さとほどには...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...気をくばるひまもない...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...部屋に戻ると、一間はなれた部屋の、菊之丞の、皺枯れた咽喉が軽く咳(せ)くのがきこえて、ポンと、灰ふきの音――「おや、お師匠さま、お目がさめてでござりますか?」「おお、たった今、醒めたところ――」と、しずかに答えて、「何やら、人が見えたようであったな――あの牙彫(げぼ)りの親方のほかに――」ハッと、赧(あか)くなって、雪之丞――「はい――」「まず、これへ、はいるがいい」かすかに(た)き捨ての、香の匂うたしなみのいい、師匠の寝間にはいると、菊之丞、紫の滝縞の丹前を、ふわりと羽織って、床の上に坐っていたが、「たずねて来たのは、女子(おなご)衆の使でもあったようだが――」絶えず、愛弟子(まなでし)の上に、心をくばる、老芸人の心耳に狂いはない...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...それを順ぐりにアルミの鉢に入れてくばる...
宮本百合子 「従妹への手紙」
...家士や召使たちにまで気をくばること...
山本周五郎 「やぶからし」
...五劉備(りゅうび)が、眼をくばると、「いや、動かぬがよい...
吉川英治 「三国志」
...大蔵はしじゅう辺りへ眼をくばる...
吉川英治 「私本太平記」
...いそいそと気をくばる...
吉川英治 「宮本武蔵」
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