...」客は引緊(ひきしま)った口許(くちもと)に微笑した...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...」とU氏は渋面(じゅうめん)を作って苦々(にがにが)しい微笑を唇辺(くちもと)に寄せつつ...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...自分たちのほうではその間にも油断なくお客のコップや口許(くちもと)に目をくばって...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...必ず額(ひたい)と口許(くちもと)に並み外れて大きな沢山(たくさん)の皺(しわ)が出来る男だった...
徳永直 「戦争雑記」
...口許(くちもと)の締った...
中里介山 「大菩薩峠」
...へツへ」むしろ好んで皮肉を衒(てら)ふやうなその歪んだ口許(くちもと)に深い皺を寄せ乍らにや/\と傲(ほこ)りがに裕佐の顔を見てゐた孫四郎はかう云つて高く笑ひ出した...
長與善郎 「青銅の基督」
...一寸(ちよつと)気の毒さうに口元(くちもと)を動(うご)かして...
夏目漱石 「それから」
...可愛(かあい)らしい口元(くちもと)からお客樣(きやくさま)への世辭(せじ)も出(で)る...
樋口一葉 「うらむらさき」
......
一葉稿 「五月雨」
......
樋口一葉 「闇桜」
...口許(くちもと)に薄笑いさえ浮べていた...
牧逸馬 「上海された男」
...濃いいかり眉と大きな眼と口髭(くちひげ)のある屹(きっ)とした口許(くちもと)と……そのままで圧倒的な威厳に満ちているのが怒りのためにいっそう際立って...
山本周五郎 「菊千代抄」
...あいそのいい微笑をうかべた口許(くちもと)から...
山本周五郎 「さぶ」
...……かれはいま唇許(くちもと)に微笑さえうかべながら...
山本周五郎 「新潮記」
...ほんの眉と唇元(くちもと)だけを見せて振り向いた...
吉川英治 「新書太閤記」
...ここに参じては去る将星たちの唇元(くちもと)にも...
吉川英治 「新書太閤記」
...勝入のくちもとを見つめていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...呼吸をしていない紅梅のような唇元(くちもと)を見て...
吉川英治 「親鸞」
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