...そのくせ一人として自分らの船をそっちのほうへ向けようとしているらしい者はなかった...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...「新井田の細君の所に行って酒ばかり飲んでうだっているくせに余裕がないはすさまじいぜ」「貴様はそれだからいけねえ...
有島武郎 「星座」
...二くせも三くせもある人物である...
海野十三 「火薬船」
...何故なら彼女は他の九人と同じ「木製(もくせい)の兵隊さん」だった...
海野十三 「間諜座事件」
...「パイパンとは面白え」娼妓のくせにしおらしく無毛を恥じてその大きな顔を赤く染めた女を...
高見順 「いやな感じ」
...我儘(わがまま)なくせに人一倍気が弱くて優柔不断な私には...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...そのくせ彼女は実によく生んだ...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...ロミオ そして足下(きみ)の夢(ゆめ)は?マーキュ空想家(ゆめをみるをとこ)は囈言(ねごと)や空言(そらごと)を言(い)ふのが癖(くせ)ぢゃといふことを...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...町人のくせになかと胸打などを喰います...
夏目漱石 「創作家の態度」
...そのくせ涙もろくて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...曲者(くせもの)は障子越しに突いたと見せて置いて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...黒旋風(こくせんぷう)とか言つた押込み...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それを復誦(ふくせう)し初(はじ)めました...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...そのくせはにかみやらしい...
山本周五郎 「七日七夜」
...めでたい主従のかため」家康が床几(しょうぎ)を立った頃、五郎右衛門は渋そうな眼をあいて、そのくせ、何もかも知っているように、取澄ました顔をしていた...
吉川英治 「剣の四君子」
...そのくせ、彼自身が、民の公事(くじ)を聴き、訴訟の裁決になど当ると、これはひどい...
吉川英治 「新書太閤記」
...そのくせ、当代、和歌では、藤原範綱といえば、五指のうちに数えられるほど著名な人物であるし、また末弟(すえ)の宗業も、天才的な名筆で、早くから、写経生(しゃきょうせい)の試験には合格し、十七歳のころには、万葉集全巻を、たった十日で写したというので、後白河帝の御感(ぎょかん)にもあずかったほどな、秀才なのであった...
吉川英治 「親鸞」
...立て札――「曲者(くせもの)め!」耀蔵は...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??