...くずれた土塀、朽ちた門、それを這入ると、境もなくてすぐ裏庭が見えているのだが、不思議千万なことには、その庭が、まるで耕した様に、一面に掘り返されて、少しばかりの樹木も、あるものは倒れ、あるものは根こそぎにして放り出してあるといった塩梅(あんばい)で、目も当てられぬ乱脈であった...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...居合す人達は皆笑いくずれたということだ...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...俺は型のくずれたソフト帽をやにわに頭から取って...
高見順 「いやな感じ」
...むかしの厩のくずれた小屋跡から...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...天井がおちたり壁がくずれたのならば...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...先ずその服装を――古ぼけた角帽や着くずれた銘仙の袷や短い綿セルの袴や擦りへった山桐の下駄などを...
豊島与志雄 「変な男」
...ある時は足下の地面がくずれた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
......
中野鈴子 「飢餓の中から」
...そのあとにつづいて家光のかごはくずれた供ぞろいをととのえながら...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...それから形のくずれた黒の短靴を...
橋本五郎 「地図にない街」
...朽ちくずれた骨の塵がこの樫のうろに残されているお前が……」「地獄はありません」「地獄はない」聖者モリイシャは呆れ果てて精の男を見つめていた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...バルブレンはくずれた足場の下にしかれて大けがをした...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...崖のくずれたのを見たりいたしますね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...着くずれた着物のままで...
三好十郎 「冒した者」
...くずれた石垣の蔭から...
吉川英治 「江戸三国志」
...くずれた髪の毛を指先で梳(す)き上げ...
吉川英治 「江戸三国志」
...たちまちそれまでの行軍序列はドドドドと地鳴りしてくずれ立ち――くずれたかと見るまにまた...
吉川英治 「新書太閤記」
...足の拇指(おやゆび)をかけている岩がくずれた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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