...崩(くず)れかかった前髪(まえがみ)のはずれに...
芥川龍之介 「母」
...冬牡丹(ふゆぼたん)の葉ながらくずるるようであった...
泉鏡花 「怨霊借用」
...型はくずれているが...
海野十三 「少年探偵長」
...こんな塀なんか普通のくずれた古塀だよ」「いや...
海野十三 「時計屋敷の秘密」
...ふいに足の下がくずれだした...
海野十三 「ふしぎ国探検」
...割れくずれてしまいました...
江戸川乱歩 「鏡地獄」
...そのとき牡丹(ぼたん)の崩(くず)れ落ちるようなゆったりとした動揺を起して...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...堅気の世帯くずれの女ってものは...
豊島与志雄 「女と帽子」
...御家人崩(ごけにんくず)れが都合三人で...
中里介山 「大菩薩峠」
...男は無言のまま再び膝(ひざ)を崩(くず)す...
夏目漱石 「虞美人草」
...大輪の花のように崩折(くずお)れているのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...自由党の壮士くずれで...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...僕の理智はここまで来ると立ちどまってしまいます――ある人間が自分の獣慾をおぞましくずうずうしく発表することによって...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...それにしてもまあ、こんなお子を、どこから拾って来たのだね」「なあに、犬に吼(ほ)えられていたのさ」と、為が、「はだしで、髷をくずして、夜みちで、犬に吼えられているのを見ちゃあ、日ごろの侠気(おとこぎ)で捨てちゃあ置けねえ」「ひ、ひ、ひ、いつものおとこ気でね――結構な性分、さぞ、後生がいいこったろうね――まあ、何と言っても、ここへつれて来てくれたのは、結構なことだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...床の上にくずれ落ちる)房代 お父さんっ! お父さんっ! しっかりして下さい! お父さん...
三好十郎 「冒した者」
...野菜屑(やさいくず)ですべりそうな煮物場へはいった...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...葛粉(くずこ)を湯掻(ゆが)いてやるからの」舟べりを踏む...
吉川英治 「私本太平記」
...海の藻(も)くずになったことは分りきっておる...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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