...訊いてみると彼は月経というものについての知識にさえ乏しい少年であることが判って警部はおかしそうに笑い崩(くず)れた...
海野十三 「麻雀殺人事件」
...崩(くず)れた土台やむなしく空を支(ささ)えている一本の太い柱や首も手もない神像(しんぞう)が...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...「――左翼崩(くず)れというのも...
高見順 「如何なる星の下に」
...すこし頽(くず)れて時おり隣の燈(ひ)の漏(も)れて来る壁の破れの見える処へ往って顔をぴったりつけて好奇(ものずき)に覗(のぞ)いて見た...
田中貢太郎 「牡丹燈籠 牡丹燈記」
...折目の着くずれた背広服をつけ広い額と低めの鼻とが目についた...
豊島与志雄 「秦の憂愁」
...私は母を失う悲しみにくずおれてしまいそうだ...
中勘助 「母の死」
...その十円をくずしてしまった...
夏目漱石 「三四郎」
...次に彼はその仮定をしばらく打ち崩(くず)して...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...神田川からくぐって来てゆるんだ土台を突きくずし...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...どれもこれも癩(くず)れかかった人々ばかりで人間というよりは呼吸のある泥人形であった...
北條民雄 「いのちの初夜」
...餡かけ豆腐にも何か御伝授がありますか」お登和「別に伝授もありませんがお豆腐を湯煮(ゆで)る時お湯の中へ上等の葛(くず)を少しお入れなさい...
村井弦斎 「食道楽」
...子供は三つの女の子だったそうです」「たまには屑(くず)だねでねえのを持ってこいよ」木内は筆の手を休めずに云った...
山本周五郎 「へちまの木」
...いかにも場末らしくやたらに紙屑(かみくず)だの空罐(あきかん)だのの塵芥(じんかい)が汚ならしく捨ててあるんだ...
山本周五郎 「陽気な客」
...主君謙信の楯(たて)となる形を崩(くず)すまいためもあった...
吉川英治 「上杉謙信」
...足許へ伏しくずれる新九郎...
吉川英治 「剣難女難」
...すでに防禦線の一角はくずれ...
吉川英治 「新書太閤記」
...突きくずさんかに...
吉川英治 「随筆 新平家」
...それじゃいくら屑籠(くずかご)を背負(しょ)って...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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