...でもまあほんとうにお珍しい……ただいまこちらのほうにお住まいでございますの?」「住まうというほどもない……くすぶりこんでいますよハヽヽヽ」と木部はうつろに笑って...
有島武郎 「或る女」
...やがて麻綱がぷすぷすとくすぶりだしたのです...
海野十三 「怪塔王」
...くすぶりがちだった...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
...くすぶり返って気永に焼くには...
中里介山 「大菩薩峠」
...それから今日どこの田舎家でも行って見ればわかる事であるが家中がくすぶりきって真黒くなって居る...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...うぢ/\と、内攻し、くすぶり、我と我が身を噛み、いぢけ果て、それで猶、うすつぺらな犬儒主義(シニシズム)だけは殘してゐる...
中島敦 「かめれおん日記」
......
中野鈴子 「わたしの正月」
...半分くすぶりながら引ずり出されて来た...
浜尾四郎 「殺人狂の話」
...警察側では、わが石田家の火災は、当日の深夜ぐらいにケチンの天井裏でくすぶりだした火が、長い時間をかけてその辺を舐めまわり、翌日の未明になって、いちどに屋根へ燃えぬけたのだと睨んでいたが、出火前後の事情を取調べているうちに、くすぶり加減の、あまりにも悠長すぎることに、疑問をもちだした...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...三ヵ月間くらいくすぶりつづけたあげく...
秘田余四郎 「字幕閑話」
...書類の山でくすぶり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...おの/\の工場の底にくすぶりこもうとする戦いの火そして絶ち切られた獄中で敢死の決意と...
槇村浩 「同志古味峯次郎」
...焼かれた家々の火は雨が来るまでくすぶり烟(けむ)っていた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「剣のうた」
...場末の古本屋の親爺によく見られる夏冬ともにくすぶり返って汚い襟巻を首へ巻きつけていそうな貧相な顔の麦松は変屈者らしく...
正岡容 「寄席」
...火はあらまし消え、くすぶり、その辺はみじめな有様だ...
宮本百合子 「田舎風なヒューモレスク」
...この家は煤(すす)だらけにくすぶり返ッて...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...焼け落ちた建物はまだ赤々とくすぶり...
山本周五郎 「風流太平記」
...皮膚は五年越しの戦場焦(や)けにくすぶり...
吉川英治 「新書太閤記」
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